ライフ

純粋に結婚したい優子41歳 「神様、あと一人だけ」

「新卒で入った製薬会社の仕事はキツかったけど、東京での生活は刺激的で楽しかった。30歳くらいまでは、ほとんど仕事で出会った人と付き合っていましたね。同期、先輩、取引先。彼氏とケンカした次の日は会社を休んだりと、今から考えると恥ずかしいことをしていましたが」

 なぜその間、結婚に至らなかったのだろうか。

「結婚願望はずっとあったんですけどね……。ありていに言えば、好きな人には好かれず、自分を好きになってくれる人を、十分に好きになれなかった。付き合うだけなら、それほど好きじゃなくてもまあいっか、週末を仲良く過ごせるなら、って割り切れるんですが、結婚には踏み切れなくて。でもいつか、結婚にふさわしい人に出逢うだろうと思っていました」

 白馬の王子さまはやってこなくとも、生きている限り平等に、歳はとっていく。31歳のとき、製薬会社を辞めて、インテリアコーディネーターの学校に通うことを決意した。思い切った決断を後押ししたものは何だったのか。

「いつか結婚する、と根拠なく思っていたから、製薬会社で一生働いてキャリアアップしていく、いうイメージを抱けなかったんです。ある程度会社で働いたら、その後は自分の好きなことをやりたいなと。根底に、私は男性に食べさせてもらえる、という考えがあったんだと思う。自信半分、甘さ半分……かな。インテリアが大好き、というわけでもなかったのですが、新しい世界に魅せられて学校に通い始めました。元来、勉強は嫌いではないので。

 当時付き合っていた彼は応援してくれましたね。2年間の学校だったので、卒業して、仕事の目処が立ったら結婚しようと言ってくれて。それまでは応援するよって。彼は製薬会社の同期で、私は、働いても働かなくても、好きにしたらいいという考え方でした。正直、トキメキはないけど安心できる人。それはもう、心からありがたいなと思っていましたから、結婚するだろうと思っていたのですが」

 33歳で専門学校を終えると、学校に紹介されたデザイン事務所にアシスタントとして入社する。「初任給より少ない給料だった」というが、すでに同棲をはじめていたため、あまり気にならなかったという。仕事柄、オシャレな場所での会食やパーティも増え、生活はいっそうキラキラと輝きだした。30代前半の優子はまだ十分に美しかった。

「彼は子供を欲しがっていましたから、一刻も早く籍を入れたいという雰囲気。一方の私は、事務所の女社長にこき使われて(笑)、徹夜することも少なくなかった。要するにすれちがいの生活が続き、仕事に慣れるまでもう少し待ってほしいと。ガツガツ働きたいわけではなかったのですが、新人だからある程度は仕方ないなと。目の前のことをこなしているうちに、責任ある仕事も任されるようになってきて、フリーランスとして独立したんです」

 しかし、35歳の誕生日を前にした矢先、彼氏から別れを告げられた。

「ああ、来たかと。待たせてしまって申し訳ない気持ちでいっぱいでした。でも考えてみたら、私のほうが崖っぷちですよね。彼がいるという保険があったから会社も辞めたのに、アラフォーになって捨てられて、仕事も安定していない。いまから思えば、彼に謝って、すがってでも結婚してもらうべきだった。それができなかったのは……」

 それなりにモテてきた女のプライドだろうか。あるいは勉強も仕事も人間関係も、そつなくこなせてしまうがゆえに、何かを強く主張したり、何としてでも欲しいものを手に入れる強さを、持っていなかったのかもしれない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方
元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。  きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。 きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
NEWSポストセブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン