ビジネス

ファナックやキーエンス 利益を社員に還元する企業

きっちり利益を社員に還元する会社も

 日本企業の内部留保は拡大の一途。財務省が6月に公表した法人企業統計によると、今年3月末時点の「内部留保額」は過去最高となる366兆6860億円。第二次安倍政権がスタートした2012年12月から34%も増加した。時価総額上位100社の内部留保を調べてみると、1位トヨタ自動車(16兆7942億4000万円)、2位三菱UFJフィナンシャル・グループ(8兆5875億7800万円)、3位ホンダ(6兆1943億1100万円)、4位NTT(5兆742億3400万円)、5位三井住友フィナンシャルグループ(4兆5344億7200万円)と続く。

 大企業は社員数も多く、規模が大きい。従って一律に内部留保の総額だけで“貯めこんでいる”とは判断できない。そこで、内部留保額を従業員数で割った「1人あたりの内部留保額」を算出することで、社員1人あたりに対していくら“貯金”しているかを調べた。

 ここでは、日本最大の石油・天然ガス開発企業である国際石油開発帝石が4億5669万円でトップ、2位に2億7672万円の任天堂が続いた。経済ジャーナリストの溝上憲文氏が解説する。

「コストが膨大でリスクも大きい天然資源の開発には、多額の内部留保が必要です。その上、従業員数が少ない帝石は1人あたりの金額が高くなります」

 業務上の理由から内部留保を貯めこむ企業が多い中、利益を社員に還元する企業もある。その代表格がファナックとキーエンスだ。両社とも「1人あたり内部留保額」が大きいが、平均給与の増減を示す「給与上昇率」でも上位につける(1位ファナック、7位キーエンス)。

「ともに工場用機器の開発・販売を主な業務とし、利益率の高いオリジナル製品で同業他社をリードする“陰の実力企業”です。儲かっているので内部留保も多いが、両社ともその分を巨額の報酬で社員へ還元しています」(経済ジャーナリスト・町田徹氏)

※週刊ポスト2016年9月16・23日号

関連キーワード

トピックス

初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
芸能活動を再開することがわかった新井浩文(時事通信フォト)
「ウチも性格上ぱぁ~っと言いたいタイプ」俳優・新井浩文が激ヤセ乗り越えて“1日限定”の舞台復帰を選んだ背景
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
小説「ロリータ」からの引用か(Aでメイン、民主党資料より)
《女性たちの胸元、足、腰に書き込まれた文字の不気味…》10代少女らが被害を受けた闇深い人身売買事件で写真公開 米・心理学者が分析する“嫌悪される理由”とは
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン