そう見ると、今年に入ってからの昭和ブームも示唆的だ。昭和の宰相・田中角栄に関する本が爆発的に売れ、携帯電話のCMでは桐谷美玲がバブル時代のディスコにタイムスリップする設定が話題になった。平成の終わりに対する予感が、昭和へのノスタルジーに向かっているのかもしれない。前出・中森氏が結ぶ。
「天皇陛下が崩御されて、昭和を代表する著名人が亡くなったときに、時代の転換点を感じたように、今回もやはり今上天皇がご退位の意思を示されて平成を代表するアイドルグループが解散する。これはやっぱり時代の転換点と考えるのが自然だと思うんです。
昭和天皇崩御のときは、長い闘病期間が昭和を振り返る時間になった。生前退位も法整備に時間がかかるので、これから私たちは、ゆっくりと平成を振り返っていくことになるのではないでしょうか」
※週刊ポスト2016年9月16・23日号