「小池さんは刊行前にゲラを読まれたようで、7月の刊行直前に“この場に私はいなかったので削除してください”と申し入れがありました。ただ、すでに印刷や製本が進んでいたので削除は間に合わないことをご理解いただき、重版以降で訂正しました」
永田町関係者は「“政界随一のメモ魔”と言われた山崎氏の自筆メモをもとに構成された本書は、他の部分では初めて明かされるディテールに富んでおり、信憑性が高い政治史の一級史料だ」と話すのだが……。山崎事務所は、
「どちらの記録と記憶が正しいのかはずいぶん昔の話なので今となっては検証しようがありません。小池さんの“記者魂”を受け止めて、訂正を了承しました」
と説明した。一方の小池氏の見解はどうか。NHK広報局は、「事実関係に誤りがあったことから訂正を求めました」との回答だった。大手紙のベテラン政治記者が語る。
「小池さんと同様に“事実と違う”と言っている関係者は他にもいるようですが、証明しようがないから水掛け論になる。そもそもたいした記述でもないのに、わざわざ事前に山崎事務所を訪れ訂正を求めるとは、余人がうかがい知れないよっぽどの不都合でもあったのか」
四半世紀前の記憶を鮮明に覚えている小池氏が『小池秘録』を著わすようなことになれば、そこに山崎氏は登場するのだろうか。
※週刊ポスト2016年10月7日号