国内

乳がん発見遅れる背景に大がかりな検査したがらぬ医師の存在

なぜ乳がん発見は遅れるのか?

 2014年2月、夫の市川海老蔵(38才)と受診した人間ドックで、左乳房にしこりが見つかった小林麻央(34才)。担当医師はがんの可能性を「五分五分」と伝え、すぐに大きな病院に再検査の予約を入れた。このとき、長女の麗禾(れいか)ちゃんは2才、息子の勸玄(かんげん)くんは9か月で、まだ授乳中だった。

《娘の授乳時から2年以上の間、週に一度、乳腺の状態を良くするための母乳マッサージに通いケアをしていたため、乳房に関しては大丈夫》

 ブログでは当時、どこか安心していたことをそう綴っている。知人の乳腺専門医2人から「授乳中のしこりでがんの可能性が五分五分だなんて、その先生はオーバーだね」と言われたことも無関係ではなかった。さらに再検査でマンモグラフィー(乳房X線撮影)と超音波検査を担当した医師にも「授乳中のしこりだから心配いらない」と告げられ、半年後の8月に再検査することになった。

 しかし日々の生活の忙しさからあっという間に10月になり、ある日左の乳房にパチンコ玉のようなしこりを見つける。すぐに検査に行くとすでに脇のリンパ節に転移していることがわかった――。

 一般的に、乳がんは40代後半から50代前半にかかる人が多く、35才未満の乳がんは全体の3%に満たないといわれている。そのため、自治体が実施する検診も、乳がんは40才以上となっており、検診を受けない人もいる。さらに検診を受けたとしても麻央のように若年性の乳がんは見つけにくい。湘南記念病院乳がんセンター長・土井卓子さんは次のように指摘する。

「特に、妊娠授乳中の乳房は硬くなり乳腺も発達するため、乳腺炎と見分けがつきにくく、画像診断も難しい。本当に悪性の腫瘍なのか、妊娠授乳期特有の状態なのか、専門家でもすぐに判別できないケースはたくさんあります」

 またマンモグラフィーに出てくる「石灰化」は、乳がんであるかそうでないかを判断するひとつの現象だが、これも事態をこじらせている。

「石灰化」とは、乳腺の分泌物に含まれるカルシウムが、乳腺の組織に付着した状態をいうが、これは乳がんより高い確率で、乳腺症でも散見されるからだ。

◆良性を確認して安心するか、良性の可能性が高いなら痛い生検をしないで経過観察にするか――決めるのはあなた自身

 マンモグラフィーや超音波検査の結果、乳がんの疑いがあるとわかったとしよう。その場合も、はっきりさせるには、乳房に細い注射針を刺して細胞を採取する「細胞診」と、さらに太い針で組織を採取する「組織診」を受ける必要がある。細胞診は麻酔も使わず、比較的簡単に検査できるが、組織診ほど確実にがんを診断できない欠点がある。

関連記事

トピックス

2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑 伊東市民から出る怒りと呆れ「高卒だっていい、嘘つかなきゃいいんだよ」「これ以上地元が笑いものにされるのは勘弁」
NEWSポストセブン
東京・新宿のネオン街
《「歌舞伎町弁護士」が見た性風俗店「本番トラブル」の実態》デリヘル嬢はマネジャーに電話をかけ、「むりやり本番をさせられた」と喚めき散らした
NEWSポストセブン
横浜地裁(時事通信フォト)
《アイスピックで目ぐりぐりやったあと…》多摩川スーツケース殺人初公判 被告の女が母親に送っていた“被害者への憎しみLINE” 裁判で説明された「殺人一家」の動機とは
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《女優・遠野なぎこのマンションで遺体発見》近隣住民は「強烈な消毒液の匂いが漂ってきた」「ポストが郵便物でパンパンで」…関係者は「本人と連絡が取れていない」
NEWSポストセブン
記者が発行した卒業証明書と田久保市長(右/時事通信)
《偽造or本物で議論噴出》“黄ばんだ紙”に3つの朱肉…田久保真紀・伊東市長 が見せていた“卒業証書らしき書類”のナゾ
NEWSポストセブン
JESEA主席研究員兼最高技術責任者で中国人研究者の郭広猛博士
【MEGA地震予測・異常変動全国MAP】「箱根で見られた“急激に隆起”の兆候」「根室半島から釧路を含む広範囲で大きく沈降」…5つの警戒ゾーン
週刊ポスト
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト