芸能

加山雄三の心に今も刻まれている黒澤明監督の言葉

加山雄三が振り返る黒澤明監督の思い出

“世界のクロサワ”は画面の隅々まで計算し、一切の妥協を許さなかった。どんな世界でも、名監督には「言葉」の力があった。俳優・加山雄三(79)が、今も心に刻まれている黒澤明監督の言葉について振り返る。

 * * *
 黒澤監督に初めてお会いしたのは映画『椿三十郎』(1962年)でした。「とても怖い人だ」と聞いていたので、25歳と若手だった僕は緊張していたんですが、監督はこう言いました。

「お前は白紙でいいからな」

 どういうことなのか、僕なりに色々と考えましたが、初めは分からなかった。だが、撮影が進むうちに「白紙の僕に監督が自由に絵を描く」ということだと分かってきた。でも、この言葉にはもっと深い意味があったんです。こうも言われた。

「台詞なんか覚えなくていい」

 じゃあどうやって演じればいいのか。不思議でしょ? すると監督は「台詞というのはな、思えば出てくるものなんだ」と。役になりきっていれば台詞も自然と出てくる。覚えたことを言うのと、思っていることを言うのとでは全然違う。台詞を覚えることばかりではダメなんだ、と。つまり「お前は白紙でいいからな」というのは、「テクニックだけで演じていてはダメだ」という意味でもあったんです。

 この言葉の真意を知ってからは、監督に対する印象がガラリと変わりました。それまでは怖い人だとばかり思っていたけど、役者の魅力を引き出そうといつも考えてくれている人なんだと。

『椿三十郎』が終わった時、僕はこう心に決めていました。「こんなすごい人と出会えたんだから、絶対にこの世界で生き残っていくぞ」ってね。黒澤監督が言ってくれた「白紙でいいからな」という言葉は今も僕の役者としての礎になっています。

関連キーワード

関連記事

トピックス

真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
優勝11回を果たした曙太郎さん(時事通信フォト)
故・曙太郎さん 史上初の外国出身横綱が角界を去った真相 「結婚で生じた後援会との亀裂」と「“高砂”襲名案への猛反対」
週刊ポスト
伊藤沙莉は商店街でも顔を知られた人物だったという(写真/AFP=時事)
【芸歴20年で掴んだ朝ドラ主演】伊藤沙莉、不遇のバイト時代に都内商店街で見せていた“苦悩の表情”と、そこで覚えた“大人の味”
週刊ポスト
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
韓国2泊3日プチ整形&エステ旅をレポート
【韓国2泊3日プチ整形&エステ旅】54才主婦が体験「たるみ、しわ、ほうれい線」肌トラブルは解消されたのか
女性セブン