ビジネス

節税しながら老後のために貯金ができる「確定拠出年金」

「確定拠出年金」とは?

 節約やお得な裏ワザが大好きなマネーライター・大上ミカさんが、「確定拠出年金」についてリサーチしました。

 * * *
 さてさて、今回取り上げるのは「確定拠出年金」。実はコレ、老後のお金を超お得に貯められる必殺技なんです。なぜお得かというと、貯蓄しながら税金のキャッシュバックが受けられるから。

 これまでも、“税金のキャッシュバック=節税”で得する裏ワザは紹介してきたけど(個人年金保険、医療費控除)、確定拠出年金は、これらのはるか上を行く、“節税テクのキング”なんです。

 でもちょっと待って! そもそも“節税”って何?という人のために、ファイナンシャルプランナーの高山一恵さんに、その仕組みを聞いてきました。

「会社員やパートの人は、給与から所得税と住民税が天引きされています。この金額は、“課税所得”を基に計算されていますが、実は課税所得は申告で減らせます。課税所得が減れば、その部分にかかっていた税金分が返金されます。つまり節税(所得控除)とは、課税所得を減らすテクと覚えてください」(高山さん)

 課税所得とは、年収から基礎控除や給与所得控除など、さまざまな控除を引いて残るお金のこと。例えば、年収127万円のパート主婦の場合、給与所得控除と基礎控除の103万円を引いた、24万円が課税所得ってわけ。

「このパート主婦の場合、節税をしなければ、24万円にかかる所得税と住民税の合計3万6000円が天引きされます。ですが、申告して節税すれば、この3万6000円が返金されます。払いすぎた税金を返してもらうのは納税者の権利。年末調整や確定申告はそのためにあるので、サラリーマンやパートだから無関係と思わず活用しましょう」(高山さん)

 課税所得を減らす“控除”には、医療費控除や生命保険料控除などいろいろあるけれど、もっとも“返金威力”を発揮するのが「確定拠出年金」なんです。

「確定拠出年金」とは、老後の資金作りのためにと、国が用意した個人年金制度のこと。60才までに納めた掛け金を運用し、老後に受けとる仕組み──ってコレ、投資じゃない! 本当に「安全で確実にお得」なの? その辺のメリット・デメリットを、マネーコンサルタントの頼藤太希さんに聞いてみました。

「確かに掛け金を運用するので、お金が増えるかは自己責任。また、60才まで下ろせないデメリットも。ただ、それを上回るメリットがあるんです。それが、掛け金の全額所得控除。例えば、月2万円の掛け金なら、毎年24万円の所得控除に。個人年金保険の所得控除は最大4万円など上限があるのと比べると、相当有利です」

 24万円が一気に所得控除になるなら、前述の年収127万円のパート主婦は、3万6000円の税金が丸々戻ってくるわけね。さらに、メリットはそれだけじゃないと推すのは、ファイナンシャルプランナーの長尾義弘さん。

「運用中に得た利益は非課税。将来受け取る時も“退職金所得控除”や“公的年金等控除”などの税制優遇が受けられます」

 なるほどね、天秤にかけたらメリットの方が大きいのか。「ただし、注意してほしいのは、パート主婦の掛け金は月額2万3000円までで、加入は来年1月からという点です」(長尾さん)

 ってことは、今から準備はしておかなきゃね。

※女性セブン2016年10月20日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
《浜松・ガールズバー店員2人刺殺》「『お父さん、すみません』と泣いて土下座して…」被害者・竹内朋香さんの夫が振り返る“両手ナイフ男”の凶行からの壮絶な半年間
NEWSポストセブン
リモートワークや打合せに使われることもあるカラオケボックス(写真提供/イメージマート)
《警視庁記者クラブの記者がカラオケボックスで乱痴気騒ぎ》個室内で「行為」に及ぶ人たちの実態 従業員の嘆き「珍しくない話」「注意に行くことになってるけど、仕事とはいえ嫌。逆ギレされることもある」 
NEWSポストセブン
「最長片道切符の旅」を達成した伊藤桃さん
「西国分寺から立川…2駅の移動に7時間半」11000kmを“一筆書き”した鉄旅タレント・伊藤桃が語る「過酷すぎるルート」と「撮り鉄」への本音
NEWSポストセブン
ドジャース・山本由伸投手(TikTokより)
《好みのタイプは年上モデル》ドジャース・山本由伸の多忙なオフに…Nikiとの関係は終了も現在も続く“友人関係”
NEWSポストセブン
齋藤元彦・兵庫県知事と、名誉毀損罪で起訴された「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志被告(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志被告「相次ぐ刑事告訴」でもまだまだ“信奉者”がいるのはなぜ…? 「この世の闇を照らしてくれる」との声も
NEWSポストセブン
ライブ配信アプリ「ふわっち」のライバー・“最上あい”こと佐藤愛里さん(Xより)、高野健一容疑者の卒アル写真
《高田馬場・女性ライバー刺殺》「僕も殺されるんじゃないかと…」最上あいさんの元婚約者が死を乗り越え“山手線1周配信”…推し活で横行する「闇投げ銭」に警鐘
NEWSポストセブン
伊勢ヶ濱親方と白鵬氏
旧宮城野部屋力士の一斉改名で角界に波紋 白鵬氏の「鵬」が弟子たちの四股名から消え、「部屋再興がなくなった」「再興できても炎鵬がゼロからのスタートか」の声
NEWSポストセブン
環境活動家のグレタ・トゥンベリさん(22)
《不敵な笑みでテロ組織のデモに参加》“環境少女グレタ・トゥンベリさん”の過激化が止まらずイギリスで逮捕「イスラエルに拿捕され、ギリシャに強制送還されたことも」
NEWSポストセブン
親子4人死亡の3日後、”5人目の遺体”が別のマンションで発見された
《中堅ゼネコン勤務の“27歳交際相手”は牛刀で刺殺》「赤い軽自動車で出かけていた」親子4人死亡事件の母親がみせていた“不可解な行動” 「長男と口元がそっくりの美人なお母さん」
NEWSポストセブン
荒川静香さん以来、約20年ぶりの金メダルを目指す坂本花織選手(写真/AFLO)
《2026年大予測》ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート 坂本花織選手、“りくりゅう”ペアなど日本の「メダル連発」に期待 浅田真央の動向にも注目
女性セブン
トランプ大統領もエスプタイン元被告との過去に親交があった1人(民主党より)
《電マ、ナースセットなど用途不明のグッズの数々》数千枚の写真が公開…10代女性らが被害に遭った“悪魔の館”で発見された数々の物品【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン