スポーツ

角居勝彦調教師 忘れ得ぬ馬、ブルーイレヴンの思い出

角居勝彦調教師が忘れられない競走馬とは

 秋競馬本番、目の前のレースに夢中になりながら、過去の名馬について思いをはせるのにも似あう季節だ。数々の名馬を世に送り出した調教師・角居勝彦氏による週刊ポストでの連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」から、武豊騎手から「ぼくには無理」といわれ、GIを一度も走らなかったものの忘れえぬ馬、ブルーイレヴンの思い出について語った。

 * * *
 毎日王冠が行なわれる東京競馬場1800メートルは馬の能力が存分に発揮でき、紛れの少ない勝負に持ち込めるので、競走馬の力関係が顕わになります。角居舎でもハットトリックやウオッカなど毎年のように出馬。2014年にはエアソミュールで勝たせてもらっています。

 しかし特に強い印象を放つ馬がいます。ブルーイレヴン。

 ディープインパクト、キングカメハメハ、アパパネ、マカヒキなど日本競馬界の代表的馬主である金子真人オーナーの所有馬でした。厩舎に初の重賞勝利(2002年11月 東スポ2歳S GIII)をもたらしてくれたことももちろん感慨深いのですが、惨敗にまつわる思い出が強烈でした。

 9月の新馬戦を勝ってデイリー杯2歳S(GII)で2着。そして東スポ杯勝利と順調に進んだ1か月後のラジオたんぱ杯2歳S、鞍上は武豊騎手。圧倒的1番人気に推されたもののかかり癖が出て直線で内にささり7着でした。

 そして年明け初戦、再び1番人気で臨んだ京成杯(GIII)で大暴走してしまった。2コーナー前から鞍上の指示を無視、大逃げを打っての直線失速、11着惨敗でした。

 それまで12回もリーディングジョッキーになっていた武騎手に「この馬は、ぼくには無理だ」とコメントされました。いわば烙印を押されたのです。当初から暴走グセがあったものの、矯正しきれなかった。調教師としての不備を突かれ、悄然としました。

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン