芸能

福山、織田の作品も 今秋の映画が「中年の哀愁」だらけの訳

福山は中年のやさぐれカメラマンを演じた

 アニメ映画『君の名は。』が公開1か月で興行収入100億円を突破したという。同作は若者たちの時空を超えた壮大な恋愛ドラマを描いてヒットしているが、この秋、映画界では「中年男性」が隠れキーワードとして注目を集めている。

 10月1日に封切られた映画『SCOOP!』は、かつては伝説的スクープをモノにしてきたものの、現在は芸能スキャンダル専門、46歳のやさぐれカメラマン都城静(福山雅治)のストーリー。

 10月8日に公開されたコメディ『グッドモーニングショー』はかつて報道番組のエースだったものの、ある現場のレポートが批判されて降板。現在担当している唯一のワイドショーも打ち切りを告げられてしまう落ち目のニュースキャスター・澄田真吾(中井貴一)が主人公。

 11月5日の上映が待たれる『ボクの妻と結婚してください。』は、45歳の放送作家・三村修治(織田裕二)が、余命6か月の末期のすい臓がんと宣告されてしまうところから物語が始まる。作家の大先輩・樋口卓治さんの原作である。
 
 悲哀あふれる中年が主役の3作品、同時期にたまたま公開が重なっただけと言われればそうかもしれないが、実は、こうした流れは少し前からあった。

 2013年、堤真一が『俺はまだ本気出してないだけ』というコメディ映画で演じたのは、ボサボサ頭に無精ひげ、ゴロ寝でお腹をかく42歳のフリーター。そしてある日突然「俺、マンガ家になるわ」と宣言し、活動を始めるのだった。

 15年前に文学賞を一度とったきりで鳴かず飛ばず、親の金をせびり、たまに稼いだお金は競艇につぎ込むダメ作家を演じていたのは阿部寛。今年5月公開の映画『海よりもまだ深く』での役どころだ。元妻の新恋人を遠巻きに双眼鏡で眺める姿が哀しく、また可笑しかった。

 堤は『俺はまだ本気~』の役についてWEBのインタビューで「こういう役は初めてだったので、撮影前半は役を掴むのに少し苦労しました」と語り、阿部も「こういう役を演じるのは初めてなので、新鮮で楽しい経験でした」と吐露している。

 それは今回『SCOOP!』の福山雅治にも言える。今回は「自身初の汚れ役」。のっけから下ネタ全開、チャラいゲス男を演じている。『ボク妻』の織田裕二もクランクイン前に「ようやく自分のやるべき作品と役柄に出会うことができた」と語っていたという。

 こうした今までのイメージにない役柄も、ごく自然なことだろう。福山、織田、中井、堤、阿部ともいずれも俳優デビューしてからほぼ30年。それぞれ例えば天才物理学者、熱血刑事、観光課の課長、天才数学者、堅物の一級建築士や古代ローマ人と硬軟問わずさまざまな役を演じてきたが、全員実年齢としても40代後半から50前後となった。悲哀を感じさせる役などをこなしてもおかしくない時期にきているのだ。

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