ビジネス

課長クラスが参加「地獄の訓練」のプログラム内容

厳格な訓練も必要か

 個性を伸ばそうという風潮が強くなった現代にあって、なぜか、昔ながらの軍隊式訓練を社員教育に取り入れる企業が増えている。古くて泥臭いスパルタ教育に目新しさを感じるのはなぜか。そのメソッドに迫る。

 * * *
 富士山の玄関口である静岡県富士宮市。大自然の山中に絶叫がこだまする。

「有難うございました!」「入ります!」「どうぞ!」

 ここは、社員教育研究所が運営する管理者養成学校。まもなく900回を迎える「地獄の訓練」と呼ばれる、12泊13日の「管理者養成基礎コース」の舞台である。1979年に千葉県で開校以来、卒業者はのべ24万人。「汗と涙と一生懸命」を標語に、徹底したスパルタ教育で、依頼してきた企業の社員を管理者に育てる。同校の元橋康雄校長が言う。

「最近の若手・中堅社員は野心がなく、責任を避け、嫌われたくないと部下を叱れず、スマホばかりいじってコミュニケーション能力がない。そんな人間を劇的に変えるには、地獄の訓練が最適です。『あそこにだけは行きたくない』『じきに消える』と陰口ばかりの“日本一嫌われている学校”ですが(苦笑)、厳しさを嫌がる世の中だからこそ、本校の存在価値があるのです」

 同校の教育方針はどういったものなのか。元橋校長が続ける。

「社員を短期間で戦力にするため、軍隊の新兵訓練を参考にしました。日教組が『子供の創造性を妨げる』と号令を禁止したので今の小中学校は起立・礼をしませんが、本校では講師の号令に全参加者が従います」

 一見、時代錯誤な教育方針だが、ニーズは高まる一方だ。参加企業は一部上場から中小まで幅広く、社員が主任に昇進すると必ず参加させる大手企業もある。

関連記事

トピックス

インタビュー中にアクシデントが発生した大谷翔平(写真/Getty Images)
《大谷翔平の上半身裸動画騒動》ロッカールームでのインタビューに映り込みリポーター大慌て 徹底して「服を脱がない」ブランディングへの強いこだわり 
女性セブン
映画『八日目の蝉』(2011)にて、新人俳優賞を受賞した渡邉このみさん
《ランドセルに画びょうが…》天才子役と呼ばれた渡邊このみ(18)が苦悩した“現実”と“非現実”の境界線 「サンタさんを信じている年齢なのに」
NEWSポストセブン
アーティスト活動を本格的にスタートした萌名さん
「二度とやらないと思っていた」河北彩伽が語った“引退の真相”と復帰後に見つけた“本当に成し遂げたい夢”
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、小泉家について綴ります
《華麗なる小泉家》弟・進次郎氏はコメ劇場でワイドショーの主役、兄・孝太郎はテレビに出ずっぱり やっぱり「数字を持っている」プラチナファミリー
女性セブン
調子が上向く渋野日向子(時事通信フォト)
《渋野日向子が全米女子7位の快挙》悔し涙に見えた“完全復活への兆し” シブコは「メジャーだけ強い」のではなく「メジャーを獲ることに集中している」
週刊ポスト
1966年はビートルズの初来日、ウルトラマンの放送開始などが話題を呼んだ(時事通信フォト)
《2026年に“令和の丙午”来たる》「義母から『これだから“丙午生まれの女”は』と…」迷信に翻弄された“昭和の丙午生まれ”女性のリアルな60年
NEWSポストセブン
6月2日、新たに殺人と殺人未遂容疑がかけられた八田與一容疑者(28)
《別府ひき逃げ》重要指名手配犯・八田與一容疑者の親族が“沈黙の10秒間”の後に語ったこと…死亡した大学生の親は「私たちの戦いは終わりません」とコメント
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問される佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
《ブラジルへ公式訪問》佳子さま、ギリシャ訪問でもお召しになったコーラルピンクのスーツで出発 “お気に入り”はすっきり見せるフェミニンな一着
NEWSポストセブン
渡邊渚さんが性暴力問題について思いの丈を綴った(撮影/西條彰仁)
《渡邊渚さん独占手記》性暴力問題について思いの丈を綴る「被害者は永遠に救われることのない地獄を彷徨い続ける」
週刊ポスト
 6月3日に亡くなった「ミスタープロ野球」こと長嶋茂雄さん(時事通信フォト)
【追悼・長嶋茂雄さん】交際40日で婚約の“超スピード婚”も「ミスターらしい」 多くの国民が支持した「日本人が憧れる家族像」としての長嶋家 
女性セブン
母・佳代さんと小室圭さん
《眞子さん出産》“一卵性母子”と呼ばれた小室圭さんの母・佳代さんが「初孫を抱く日」 知人は「ふたりは一定の距離を保って接している」
NEWSポストセブン
PTSDについて大学で講義も行っている渡邊渚さん(本人提供)
渡邊渚さんが憤る“性暴力”問題「加害者は呼吸をするように嘘をつき、都合のいい解釈を繰り広げる」 性暴力と恋愛の区別すらできない加害者や擁護者への失望【独占手記】
週刊ポスト