しかも、新党旋風は東京の局地的現象にはとどまらない。大阪では日本維新の会(旧おおさか維新)が参院選で自民党の1.5倍という圧倒的な得票力を示し、衆院選でもかなりの議席獲得が予想される。

 その切り札として期待されるのが、大阪府が誘致を打ち出した2025年の大阪万博だ。維新との連携を強化したい官邸も全面支援に動き出した。首相自ら「地方を訪れる観光客が増大し、地域経済が活性化する起爆剤になることが期待される。しっかり検討を進める」と明言し、官邸から各省庁に協力するよう指示が出ている。

 さらに民進党の拠点である愛知では河村たかし・名古屋市長が維新との合流を計画しており、河村政治塾を再開する。東京、大阪、名古屋の3首長が連携すれば再び地域政党ブームが起きる可能性は十分ある。

「次の総選挙で民進党が共産党と本格的な選挙協力をすれば、民進党の保守票が離れる。この層は保守でも自民党には入れたくないという有権者だから、小池新党や維新など第三極の地域政党がその受け皿になる。先の参院選では無党派票を民進党が最も多く取ったが、総選挙ではその分も地域政党に流れ、民進党はいよいよジリ貧になっていく。

 選挙後まで視野に入れると、民進党が大敗すれば蓮舫代表の辞任だけでなく、前原誠司氏ら保守系議員が党を割って与党に近づいていく事態もあり得るでしょう」(有馬氏)

 安倍首相にとって、維新は改憲支持勢力であり、小池氏も「アベノミクスを東京から発信していく」と公約して知事になった。小池新党や維新が民進党の議席を奪い、民進党が分裂すれば親自民勢力が増える構造なのだ。

※週刊ポスト2016年10月28日号

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