国内

「感染症治療には痰は飲み込まず必ず吐き出す」と専門医

咳を気にして受診する人がここ数年急増(Ph:アフロ)

 咳を気にして受診する人がここ数年、急増している、と咳の専門家である東京女子医科大大学呼吸器内科准教授の武山廉さんは言う。厚生労働省の「平成25年国民生活基礎調査」でも、咳は女性の不調の5位にランクインしている。

「激しい咳でもない限り、いくら咳が長引いていても、病院に行く人は少ないもの。ですが、“3週間以上、咳が続いている”という場合は、病院で相談してほしいですね」(武山さん、以下「」内同)

 ただし、咳が続いたからといって“咳=悪者ではない”と武山さんは言う。

「咳は体の防御反応の1つ。外部から気道にほこりや細菌、ウイルスなどが侵入すると、外に出そうとして咳が起こります。風邪やインフルエンザにかかった時に、細菌などを包んで外に出すのが気道の分泌液である痰(たん)。感染症の治療には、痰を出し切ることが大切です。吐き出さずにのみ込んでしまう人もいますが必ず出してください」

 とはいえ、長期の咳を放置すると、ぜんそくに発展したり、重大な病気につながることもあると武山さんは言う。

「3週間以上長引く場合、感染症以外が原因の咳が多く、アレルギーが原因で咳ぜんそくに進展している可能性も考えられます」

 気道が狭くなりヒューヒュー、ぜいぜいと呼吸困難になるのが“ぜんそく”だが、空咳が続く“咳ぜんそく”の人も最近、増加している。

「咳ぜんそくは多数の要素が重なり発症しますが、やはり目立つのはハウスダストなどのアレルギー。いずれも薬をきちんと使用すれば改善しますが、ぜんそく系の病気は命を落とす可能性もあるので、咳が3週間以上続いたら医師の診察を受けてください」

 さらに女性に増えているのが、メンタルが原因の咳だ。

「呼吸が速く浅くなり、咳込みがちになるストレス性の咳を発症する人も増えています。特に、肥満の人や運動不足の人は心肺機能が弱まり、咳が続くことがあるので注意してください」

※女性セブン2016年11月3日号

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン