ライフ

進化する餃子 中の餡、つけダレ、調味料に活路を見出すか

「餃子の王様」と呼ばれるパラダイス山元氏

 パラダイス山元氏は、マンボミュージシャンとしての活動のかたわら、大好きな餃子の研究をはじめて三十有余年。スーパーの新商品から全国の有名無名店、さらには中国、ロシアまであらゆる餃子をその舌で味わいつくし、会員制餃子店「蔓餃苑」をオープン。オーナーシェフとして腕をふるう。人は彼を“餃子の王様”と呼ぶ。そんな同氏が餃子への熱き思いを語る。

 * * *
 かつてはラーメンのサイドメニューなどとして、「とりあえずビールと餃子」と脇役扱いされてきた餃子。ラーメン、うどん、カレーと消費され尽くした感のある“食ブーム”の中でも、餃子そのものにスポットが当たることは、これまでほとんど無かった。だが、今年に入って、とうとう餃子がキテいるのだ。

 日本では、餃子は戦後、中国から渡ってきた食べ物とされる。しかし、実際中国に行ってみると、日本の中華料理店でよく目にする焼き餃子はほとんど存在しない。中国では、水餃子や蒸し餃子が一般的である。

 中国のレストランのメニューに焼き餃子は「日式鍋貼」などと表示されている。“これは日本で生まれたスタイルの餃子ですよ”という意味だが、その姿勢はなんとも潔く感じられる。

 何十年もかけて、餃子のルーツを訪ねるべく海外へ渡航しているうち、意外な場所に辿り着いた。ロシア連邦のブリヤート共和国。シベリアの中央部に位置するバイカル湖の東側一帯に広がるその連邦国で、戦後多くの日本人捕虜が過酷な労働を強いられた。

 冬はマイナス40℃にもなる厳寒の地である。そこで、パンなどと同様に主食として提供される「ブーザ」という食べ物を、何軒もの食堂で口にした。形は現代の餃子と同じ三日月型から、上に口が開いた小籠包のようなものまで様々。中身の餡は、豚肉と玉ねぎがほとんどであった。日本と同じ、「焼き餃子」のスタイルである。

関連キーワード

関連記事

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト