「大統領に権力が集中する韓国では、既得権益に与ろうとする親族がいれば、そこから腐敗の構図ができあがる。親族に足を引っ張られるケースは非常に多い。そんな役得とは縁のなかった国民は、不正に巨利を得た権力者への恨みを募らせ、徹底的に追及する。常に“生贄”を求めているのが韓国社会で、中でも大統領は最高のカタルシスを与えてくれる」(韓国人ジャーナリスト)
韓国では憲法上、大統領在任中は刑事訴追を免れる規定がある。朴氏も現時点では立件対象になっていないが、辞任すれば“大統領特権”はなくなる。
作家・井沢元彦氏の指摘だ。
「朴氏は“身寄りのない私にスキャンダルは起きない”とクリーンさを売りに当選しましたが、結局、彼女も歴代大統領と同じだったことが証明された。儒教社会である韓国では、家族の利益を優先することが当然とされます。朴氏には家族がない代わりに彼女を“姉さん”と呼ぶ崔順実と家族同然の関係だった。公の精神よりも身内びいきが優先される価値観から脱しない限り、韓国はいつまでも真の民主主義国家にはなれない」
この国はいつまで“負の歴史”を繰り返すのか。
※週刊ポスト2016年11月18日号