ビジネス

財政破綻を避けるには「平成の徳政令」を出すしかない

日本が財政破綻を避けるためにはどうすればよいか

 日本銀行と政府が「政策総動員」のアベノミクスを展開したものの、現状、大きな効果は出ていない。黒田東彦総裁が打ち出した異次元金融緩和の期間はすでに3年半を超え、太平洋戦争の3年9か月より長引くのは確実で、日銀はかつての日本軍と同じ轍を踏んでいるのではないか──経営コンサルタントの大前研一氏はそう批判している。財政危機から破綻への道を避けるためには、何が必要なのかを大前氏が解説する。

 * * *
 安倍晋三首相はプライマリーバランス(基礎的財政収支)の2020年度黒字化を目指すと表明しているが、消費税率10%への引き上げを2019年10月に延期したことで完全に不可能となった。このままでは財政危機から財政破綻に向かうことが確実なのに、出てきたのは事業規模28兆円の実効性なき経済対策だ。

 戦時中の日本とのアナロジーは他にもある。新聞をはじめとするマスコミが、安倍政権の過ちを正面切って批判していないことだ。多少の批判はしていても解説や説明が中心で、大々的に批判の論陣は張っていない。あたかも戦時中の「大政翼賛」のような状況で、アベノミクスを批判して増税や財政再建を主張すると「お前は景気を腰折れさせる気か」と“非国民”扱いをされてしまう。

 つまり、現在の日本は安倍一強体制下の全体主義国家のような状態であり、たとえ安倍首相が間違っていると思っても異論を差し挟むことはできない、という空気に覆われているのだ。

 だが、今の日本の財政状況は、太平洋戦争で言えば、すでにミッドウェー海戦の段階を過ぎているかもしれない。今後、ガダルカナル撤退からインパール作戦、サイパン玉砕、本土空襲、沖縄戦、原爆投下へと向かい、最後は焼け野原──すなわち国債のデフォルトかハイパーインフレになってしまうだろう。

トピックス

東京都慰霊堂を初めて訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年10月23日、撮影/JMPA)
《母娘の追悼ファッション》皇后雅子さまは“縦ライン”を意識したコーデ、愛子さまは丸みのあるアイテムでフェミニンに
NEWSポストセブン
2023年に結婚を発表したきゃりーぱみゅぱみゅと葉山奨之
「傍聴席にピンク髪に“だる着”姿で現れて…」きゃりーぱみゅぱみゅ(32)が法廷で見せていた“ファッションモンスター”としての気遣い
NEWSポストセブン
渡邊渚さんの最新インタビュー
渡邊渚さんが綴る「PTSDになった後に気づいたワーク・ライフ・バランスの大切さ」「トップの人間が価値観を他者に押しつけないで…」
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
ルーヴル美術館での世紀の強奪事件は瞬く間に世界を駆け巡った(Facebook、HPより)
《顔を隠した窃盗団4人組》ルーブル美術館から総額155億円を盗んだ“緊迫の4分間”と路上に転がっていた“1354個のダイヤ輝く王冠”、地元紙は「アルセーヌ・ルパンに触発されたのだろう」
NEWSポストセブン
活動休止状態が続いている米倉涼子
《自己肯定感が低いタイプ》米倉涼子、周囲が案じていた“イメージと異なる素顔”…「自分を追い込みすぎてしまう」
NEWSポストセブン
松田聖子のモノマネ第一人者・Seiko
《ステージ4の大腸がんで余命3か月宣告》松田聖子のものまねタレント・Seikoが明かした“がん治療の苦しみ”と“生きる希望” 感激した本家からの「言葉」
NEWSポストセブン
“ムッシュ”こと坂井宏行さんにインタビュー(時事通信フォト)
《僕が店を辞めたいわけじゃない》『料理の鉄人』フレンチの坂井宏行が明かした人気レストラン「ラ・ロシェル南青山」の閉店理由、12月末に26年の歴史に幕
NEWSポストセブン
森下千里衆院議員(共同通信社)
《四つん這いで腰を反らす女豹ポーズに定評》元グラドル・森下千里氏「政治家になりたいなんて聞いたことがない」実親も驚いた大胆転身エピソード【初の政務三役就任】
NEWSポストセブン
ナイフで切りつけられて亡くなったウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(Instagramより)
《19年ぶりに“死刑復活”の兆し》「突然ナイフを取り出し、背後から喉元を複数回刺した」米・戦火から逃れたウクライナ女性(23)刺殺事件、トランプ大統領が極刑求める
NEWSポストセブン
『酒のツマミになる話』に出演する大悟(時事通信フォト)
『酒のツマミになる話』が急遽差し替え、千鳥・大悟の“ハロウィンコスプレ”にフジ幹部が「局の事情を鑑みて…」《放送直前に混乱》
NEWSポストセブン
『週刊文春』によって密会が報じられた、バレーボール男子日本代表・高橋藍と人気セクシー女優・河北彩伽(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
「近いところから話が漏れたんじゃ…」バレー男子・高橋藍「本命交際」報道で本人が気にする“ほかの女性”との密会写真
NEWSポストセブン