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さだまさしが明かす「今でも旅の歌が書けない」という理由

作詞家・小説家としても評価の高いさだまさし

 米国のシンガー・ソングライター、ボブ・ディランがノーベル文学賞を受賞したことで、日本でにわかに注目を集めているのが、さだまさし。同じシンガー・ソングライターとして、ネット上では「ボブ・ディランがとったんだから、さだまさしワンチャンある」「ボブ・ディランの受賞に、さだまさしが続きますように」といった書き込みに同調する声が広がり、中にはさだを“和製ボブ・ディラン”と評する声もある。
 
 さだは自身の曲の詞だけでなく、小説家としても『精霊流し』『解夏』『眉山』などのベストセラーを世に送り出している多才な人。だが、その彼が新著の中で「カバン持ちしてでも一緒にいたい」「表現の豊かさ、面白さにいつも驚いていた」と、その功績を大絶賛する作詞家がいた。出版関係者が語る。
 
「それは今年7月に亡くなった永六輔さんです。永さんは『上を向いて歩こう』『見上げてごらん夜の星を』『こんにちは赤ちゃん』など、数々の歴史的名曲の作詞を手掛けていますが、さださんは『僕の歌曲のひな形のような作品をたくさん作られた人』と、その影響を認めています」
 
 さだは永六輔さんとの対談などをまとめた新著『笑って、泣いて、考えて。永六輔の尽きない話』の中で、永さんの作詞について「歌はいわば生鮮食品で、特に『言葉』は傷むのが早い。ところが、永さんの歌詞は全然古びない。今の世に新曲として出しても十分、通用する」と評している。
 
 中でも評価しているのは『遠くへ行きたい』で、さだは「これほど見事な旅の歌はいまだなく、今後も出ないかもしれない。この歌があるためか、僕は今でも旅の歌が書けません」と語っている。一方、永さんは「みんなが歌える歌」にこだわって作ったことや、惜しまれながらも作詞を辞めた“本当の理由”などを明かしている。

◆さだまさし:1952年、長崎県生まれ。1973年、フォークデュオ・グレープとしてデビュー。1976年にソロとなり、『関白宣言』『防人の詩』『たいせつなひと』など、数々のヒット曲を生み出す。2001年に小説家として『精霊流し』を発表、その後も『解夏』『眉山』など数々のベストセラーを生み続ける。デビューから精力的に続けているコンサート活動は、2013年7月に前人未到の4000回(ソロコンサート)を達成。最新刊は、永六輔との“最初で最後の対談”を収載した『笑って、泣いて、考えて。永六輔の尽きない話』。

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