芸能

タモリ、所ジョージらが集った伝説の宴会「赤塚会」とは

山本晋也氏が伝説の宴会を述懐

 漫画家の故・赤塚不二夫氏を中心に開かれていた伝説の宴会「赤塚会」──。そこには、若かりし頃のタモリ、研ナオコ、所ジョージ、THE ALFEE坂崎幸之助らが集っていた。映画監督の山本晋也氏が、赤塚会の“熱い記憶”をたどる。

 * * *
 あれは1979年頃だったな。赤塚先生を中心に「面白グループ」といわれる仲間がいてさ。芸人・歌手・俳優から放送作家までメンバーは色々。新宿の「ひとみ寿司」で、冷やしキャベツをつまみに毎週のように宴会をしてた。

 寿司屋で寿司を食わないのは、先生一流のシャレだったんだろうね。参加者はここで宴会芸を披露しては、芸を磨いていた。

 当時、タモさんもまだ、『笑っていいとも!』を始める前だった。普段は本当に寡黙な人だったけど、トイレに行って戻ってこないと思ったら、いきなり伝説の芸となった「イグアナ」のモノマネをやる。研さんなんかはそれを見てケタケタ笑ってたよね。

 タモさんは他にも、酔っ払うと架空の「中洲産業大学教授」に扮してた。冴えない教授の芸なんだけど、“ああ、こんな先生いる、いる”って感じでさ。突拍子のない人だった。

 オレは赤塚先生にいわれ、たこ八郎と「太田胃散の口移し」という芸をさせられた。それ以来、太田胃散は飲んでないよ。所さんは一番若くて、最近聞いたら、それを“くっだらないことをしてる大人だ”って見てたんだって。ちょっと意外だよね。

 アルフィーの坂崎は先代「林家三平」のマネが上手かった。アイツの「どうもすいません」は歌より上手かったよ(笑い)。

 みんなが集まれば、どこでも“面白いこと”をやった。真冬に軽井沢に行ったときは宿泊先の庭を砂浜に見立ててさ。赤塚先生とタモさんが海パン一丁で新聞を読みながらくつろいでるの。

 オレは写真を撮ってたんだけど、なぜか服を着てたオレだけ風邪をひいちゃった。2人は雪の中で素っ裸になって、お尻にロウソクを刺して四つん這いで歩いてたこともあったな。

 バカバカしいけど、みんな、仲間を喜ばせよう、楽しませようと「宴会芸」だからといって手は抜かなかった。面白グループがあったからみんな出世できたんだと思う。まさに「芸は身を助ける」だね。

※週刊ポスト2016年12月16日号

関連記事

トピックス

真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信フォト)
オフ突入の大谷翔平、怒涛の分刻みCM撮影ラッシュ 持ち時間は1社4時間から2時間に短縮でもスポンサーを感激させる強いこだわり 年末年始は“極秘帰国計画”か 
女性セブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン