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北朝鮮副首相、メガネ拭きが金正恩の逆鱗に触れて命落とす

肉親も側近も信用できない KCNA/新華社/AFLO

 北朝鮮に対し、厳しい姿勢で臨んできた韓国の朴槿恵大統領の政治危機に、金正恩朝鮮労働党委員長はさぞかし、大喜びに違いない。

 が、日を置かぬうちに今度は、正恩氏を不安にさせる材料が持ち上がった。正恩氏を「狂人」扱いし、北への軍事力行使も辞さない、と強硬な発言を繰り返してきたドナルド・トランプ氏の米大統領当選である。ジャーナリストの城内康伸氏が若き暴君の“心奥”に迫る。

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 金正日総書記の死去を受けた正恩体制は12月17日で発足5年を迎える。彼の統治スタイルを語る時、キーワードは“恐怖統治”である。

 2012年に李英鎬軍総参謀長(当時)、2013年に叔父の張成沢国防委員会副委員長(同)、2015年には、玄永哲人民武力相(同)を粛清するなど、韓国の情報機関・国家情報院によると、2016年9月までに164人の幹部を処刑している。2016年になって処刑された幹部の数は2015年の2倍以上に上る。

 正恩氏は幼少年期、スイスなど海外で暮らし、父親の急逝で、政治経験不足のまま、わずか27歳で権力を継承した。2016年1月に32歳になったばかりだ。父親に尽くしてきた忠臣や幹部らへの劣等感のために、強いストレスを抱えているとされる。

 労働党関係者の間では正恩氏の性格について、「気分次第で怒り出す」「衝動的」というのが定評になっている。

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