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【ドル円週間見通し】トランプ政権への期待と懸念で売買交錯

 投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が1月16日~1月20日のドル・円相場の見通しを解説する。

 * * *
 今週のドル・円はもみあいか。昨年11月8日の米大統領選以降の急激なドル高を調整する動きはしばらく続くとみられており、ドルの大幅反発は期待薄か。20日に発足するトランプ政権に対しては減税やインフラ整備などを重点化した景気刺激策が期待される反面、保護主義的な通商政策への懸念もあり、売買交錯の相場展開となりそうだ。

 通商政策については、トランプ氏はトヨタに対しメキシコで生産したカローラを米国で販売するならば関税をかけると警告。こうした事態を受け、リスク回避的な円買いに振れた。トランプ氏の強硬姿勢が続けば円買いが続き、結果的にドルを押し下げる要因となりやすい。

 一方、連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ期待を背景としたドル買いは継続しそうだ。18日に発表される米12月消費者物価指数(CPI)などインフレ関連指標が市場予想を上回った場合、早期追加利上げの思惑が広がり、ドル買いに振れやすい見通し。利上げペースに関しては当局者によって見方が異なるものの、インフレ指標の改善はドルをサポートしよう。

【米・12月消費者物価コア指数(CPI)】(18日発表予定)
 18日発表の12月CPIは前年比+2.1%で11月実績と同水準になると予想されている。予想通りならば、年3回の利上げ見通しを裏付ける内容になるとみられており、ドル買い要因となろう。

【イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長講演】(18日、19日)
 18日と19日にイエレンFRB議長の講演が予定されている。利上げペースに関して米連邦公開市場委員会(FOMC)のメンバーの間で見解は分かれている。追加利上げについて前向きな見解が示された場合、ドル買いを促す可能性がある。ただし、20日のトランプ政権発足を直前に控えており、新政権の経済政策などには言及しないとみられる。

【トランプ大統領就任式】(20日)
 アメリカのトランプ次期大統領の就任式は、連邦議会の議事堂前で20日に行われる。宣誓や演説が行われるが、就任演説は経済・外交分野の政策について具体的に述べることはないとみられており、演説内容は材料視されない見込み。

・1月16日-20日に発表される主要経済指標の見通しについては以下の通り。

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