国際情報

レンタル彼女が中国で盛況 独身男性の深刻なニーズ掴む

里帰りにも様々な苦労があるようで(写真:アフロ)

 事情を紐解いてみると、同情を禁じ得ない、ということはままある。中国の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏が指摘する。

 * * *
 出租女友臨時兼永遠──。こんな広告がネット上に急増したのは、春節を控えた1月のことである。「出租」は中国語でレンタル。つまり彼女のレンタルの広告で、「一回きり」から「長期間」までメニューがあるという意味だ。

 このうたい文句の下では、前髪をきりそろえた清楚な雰囲気の女性が黒いワンピースに鞄を斜めにかけてニッコリほほ笑んでいる。その横には「価格」の文字があり、「1000元(約1万6700円)」と書かれてある。

 その隣には白いワンピースに黄色のカーディガンを着たロングヘア―の美女が小首をかしげてほほ笑む。こっちの広告の誘い文句は、目的がもっと明快だ。

 ガールフレンドをレンタルして故郷に帰ろう!

 1月16日、遼寧広播電視台が報じたニュースのタイトルは、〈結婚紹介所がガールフレンドをレンタルして大繁盛 1泊2日で3000元(約5万100円)〉だった。

 これについては説明は必要ないだろうが、要するに故郷に帰るたびに恋人の有無を聞かれ、孫を待望する話をされてしまう独身男性が春節を前に体裁を取り繕うためのビジネスが大盛況だということだ。日本では、「早く孫の顔が見たい」とせがまれてうんざりするのはたいてい女性の設定だが、中国では男が深刻なプレッシャーを感じているという。

 ニュースの中で紹介された数字によれば、独身男性のおよそ70%が里帰り中に早く結婚しろといわれた経験を持ち、そのうちの2割の男性は今年のうちに相手を見つけろといわれたという。

 こんなプレッシャーにさらされたくないとの思いから、レンタル恋人がはやっているわけだが、こうしたビジネスにはトラブルがつきものである。

 ニュースのなかでは、父親が60歳になる誕生日にガールフレンドをレンタルしようとした男性が5100元(約8万5000円)を騙し取られたケースが紹介され、また逆に女性が強姦されてしまったという事例も扱っていた。いずれも法律的な保護が未整備だと弁護士が注意を促すという内容だった。

 たしかに、どこまでが契約上の「恋人の範囲」になるのかは線引きが難しいだろう。

関連キーワード

トピックス

米倉涼子の“バタバタ”が年を越しそうだ
《米倉涼子の自宅マンションにメディア集結の“真相”》恋人ダンサーの教室には「取材お断り」の張り紙が…捜査関係者は「年が明けてもバタバタ」との見立て
NEWSポストセブン
地雷系メイクの小原容疑者(店舗ホームページより。現在は削除済み)
「家もなく待機所で寝泊まり」「かけ持ちで朝から晩まで…」赤ちゃんの遺体を冷蔵庫に遺棄、“地雷系メイクの嬢”だった小原麗容疑者の素顔
NEWSポストセブン
渡邊渚さん
(撮影/松田忠雄)
「スカートが短いから痴漢してOKなんておかしい」 渡邊渚さんが「加害者が守られがちな痴漢事件」について思うこと
NEWSポストセブン
平沼翔太外野手、森咲智美(時事通信フォト/Instagramより)
《プロ野球選手の夫が突然在阪球団に移籍》沈黙する妻で元グラドル・森咲智美の意外な反応「そんなに急に…」
NEWSポストセブン
死体遺棄・損壊の容疑がかかっている小原麗容疑者(店舗ホームページより。現在は削除済み)
「人形かと思ったら赤ちゃんだった」地雷系メイクの“嬢” 小原麗容疑者が乳児遺体を切断し冷凍庫へ…6か月以上も犯行がバレなかったわけ 《錦糸町・乳児遺棄事件》
NEWSポストセブン
11月27日、映画『ペリリュー 楽園のゲルニカ』を鑑賞した愛子さま(時事通信フォト)
愛子さま「公務で使った年季が入ったバッグ」は雅子さまの“おさがり”か これまでも母娘でアクセサリーや小物を共有
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)は被害者夫の高羽悟さんに思いを寄せていたとみられる(左:共同通信)
【名古屋主婦殺害】被害者の夫は「安福容疑者の親友」に想いを寄せていた…親友が語った胸中「どうしてこんなことになったのって」
NEWSポストセブン
高市早苗・首相はどんな“野望”を抱き、何をやろうとしているのか(時事通信フォト)
《高市首相は2026年に何をやるつもりなのか?》「スパイ防止法」「国旗毀損罪」「日本版CIA創設法案」…予想されるタカ派法案の提出、狙うは保守勢力による政権基盤強化か
週刊ポスト
62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま(2025年12月3日、写真/宮内庁提供)
《累計閲覧数は12億回超え》国民の注目の的となっている宮内庁インスタグラム 「いいね」ランキング上位には天皇ご一家の「タケノコ掘り」「海水浴」 
女性セブン
米女優のミラーナ・ヴァイントルーブ(38)
《倫理性を問う声》「額が高いほど色気が増します」LA大規模山火事への50万ドル寄付を集めた米・女優(38)、“セクシー写真”と引き換えに…手法に賛否集まる
NEWSポストセブン
ネックレスを着けた大谷がハワイの不動産関係者の投稿に(共同通信)
《ハワイでネックレスを合わせて》大谷翔平の“垢抜け”は「真美子さんとの出会い」以降に…オフシーズンに目撃された「さりげないオシャレ」
NEWSポストセブン
中居正広氏の近況は(時事通信フォト)
《再スタート準備》中居正広氏が進める「違約金返済」、今も売却せず所有し続ける「亡き父にプレゼントしたマンション」…長兄は直撃に言葉少な
NEWSポストセブン