スポーツジャーナリストの増田明美氏


──増田さんは全日本大学駅伝で、選手に並走する「監督バス」に乗り込んで突撃レポートをしていました。

増田:あのバスに乗るのは本当に緊張するんですよ。車内ではテレビ中継をつけながら、ラジオの音声を流しているんですが、ライバル校同士の監督が隣り合わせで画面を見つめている。

西本:あのピリピリ感の中に入るのは普通、無理です。

増田:本当に監督さんたちも鬱陶しいでしょうね。でも、テレビ向けにしゃべってもらわないと私も困る。だから53歳の“おばさん力”でぐいぐい接近してマイクを向けちゃう。30代ではできなかったと思いますよ。

西本:その渾身レポートのおかげで、監督たちの戦略がダダ漏れでした(笑い)。

増田:でも、本当に監督さんたちは個性的で面白い。山学大の上田(誠仁)監督みたいに「哲学」を語ってくれる方もいれば、“漢(おとこ)だろ!”の檄で有名な駒澤大の大八木(弘明)監督もいる。大八木さんは、会津弁で話すのに、持っているセカンドバッグがルイ・ヴィトンだったりして、あのちぐはぐさが面白い。

西本:なんとも言えないマイルドヤンキー感ですよね! 僕らオタクは、あの監督バスで、誰がどの席に座ったかだけで盛り上がれる。去年はスタート直後、大八木さんが「指定席」のはずの最後列左側の席でなく、そのちょっと前の席に座った。それだけでコアなファンのSNSは“なぜだ!?”と大盛り上がり。増田さんには次回はぜひ、監督バスの「席次表」の変化をツイッターで実況中継してほしいんです。

増田:いいですね! それ、やりましょう。

●ますだ・あけみ/1964年千葉県生まれ。スポーツジャーナリスト。私立成田高校在学中、長距離種目で次々に日本記録を樹立し、1984年ロサンゼルス五輪に女子マラソン代表で出場。1992年に現役引退し、解説者として数々のレースに携わる。

●にしもと・たけし/1971年福岡県生まれ。「駅伝ニュース」主宰者。本業はコンテンツプロデューサー。ツイッターアカウント名は「公園橋博士」、相棒のマニアさん(アカウント名「@EKIDEN_MANIA」)とともに全国の長距離レースを観戦。

※週刊ポスト2017年2月3日号

関連記事

トピックス

復帰会見をおこなった美川憲一
《車イス姿でリハビリに励み…》歌手・美川憲一、直近で個人事務所の役員に招き入れていた「2人の男性」復帰会見で“終活”にも言及して
NEWSポストセブン
遠藤敬・維新国対委員長に公金還流疑惑(時事通信フォト)
公設秘書給与ピンハネ疑惑の維新・遠藤敬首相補佐官に“新たな疑惑” 秘書の実家の飲食店で「政治資金会食」、高額な上納寄附の“ご褒美”か
週刊ポスト
高市早苗首相(時事通信フォト)
高市早苗首相の「官僚不信」と霞が関の警戒 総務大臣時代の次官更迭での「キツネ憑きのようで怖かった」の逸話から囁かれる懸念
週刊ポスト
男気を発揮している松岡昌宏
《国分騒動に新展開》日テレが急転、怒りの松岡昌宏に謝罪 反感や逆風を避けるための対応か、臨床心理士が注目した“情報の発信者”
NEWSポストセブン
水原受刑者のドラマ化が決定した
《水原一平ドラマ化》決定した“ワイスピ監督”はインスタに「大谷応援投稿の過去」…大谷翔平サイドが恐れる「実名での映像化」と「日本配信の可能性」
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(Instagramより)
「球場では見かけなかった…」山本由伸と“熱愛説”のモデル・Niki、バースデーの席にうつりこんだ“別のスポーツ”の存在【インスタでは圧巻の美脚を披露】
NEWSポストセブン
モンゴル訪問時の写真をご覧になる天皇皇后両陛下(写真/宮内庁提供 ) 
【祝・62才】皇后・雅子さま、幸せあふれる誕生日 ご家族と愛犬が揃った記念写真ほか、気品に満ちたお姿で振り返るバースデー 
女性セブン
村上迦楼羅容疑者(27)のルーツは地元の不良グループだった(読者提供/本人SNS)
《型落ちレクサスと中古ブランドを自慢》トクリュウ指示役・村上迦楼羅(かるら)容疑者の悪事のルーツは「改造バイクに万引き、未成年飲酒…十数人の不良グループ」
NEWSポストセブン
現在は三児の母となり、昨年、8年ぶりに芸能活動に本格復帰した加藤あい
《現在は3児の母》加藤あいが振り返る「めまぐるしかった」CM女王時代 海外生活を経験して気付いた日本の魅力「子育てしやすい良い国です」ようやく手に入れた“心の余裕”
週刊ポスト
熊本県警本部(写真左:時事通信)と林信彦容疑者(53)が勤めていた幼稚園(写真右)
《親族が悲嘆「もう耐えられないんです」》女児へのわいせつ行為で逮捕のベテラン保育士・林信彦容疑者(53)は“2児の父”だった
NEWSポストセブン
リクルート社内の“不正”を告発した社員は解雇後、SNS上で誹謗中傷がやまない状況に
リクルートの“サクラ行為”内部告発者がSNSで誹謗中傷の被害 嫌がらせ投稿の発信源を情報開示した結果は“リクルートが契約する電話番号” 同社の責任が問われる可能性を弁護士が解説
週刊ポスト
上原多香子の近影が友人らのSNSで投稿されていた(写真は本人のSNSより)
《茶髪で缶ビールを片手に》42歳となった上原多香子、沖縄移住から3年“活動休止状態”の現在「事務所のHPから個人のプロフィールは消えて…」
NEWSポストセブン