ビジネス

投資家注目の「AI」関連、本命銘柄は?

投資家注目のAI銘柄は?

 今後、上昇が期待できる投資環境が整っていくとすれば注目すべき銘柄は何か。投資のエキスパートたちはどんな基準で選び抜いているのか。

 昨年11月からの上昇相場の中で、投資家の間で欠かせないキーワードがある。その筆頭格が「AI(人工知能)」だ。

 連日のように新聞やビジネス誌などの経済面で取り上げられる自動車の自動運転はまさにその象徴。普及が広まるロボット掃除機なども代表的なAI商品だ。日本の自動車メーカーや電機メーカーは惜しみなく開発に資金を注ぎ込んでいる。

 投資情報サイト「カブ知恵」代表の藤井英敏氏はこう語る。

「AI分野が無限大の可能性を秘めていることは言うまでもありませんが、加えて安倍政権が第4次産業革命の中核技術に掲げていることから、政策の全面バックアップを受けていることも大きなプラス材料です」

 中でも藤井氏がAI関連銘柄の「本命」と見るのがメタップスだ。

「AIを組み込んだ商品の製造メーカーに目が行きがちですが、株価上昇に妙味があるのは世間に名が知られていなくてもAIそのものを開発する企業。AI研究開発に注力するメタップスは、みずほフィナンシャルグループと業務提携するなど、今後の事業拡大が見込まれています」(藤井氏)

 AIと並ぶ投資テーマとなっているのが「IoT(=Internet of Things)」。“モノのインターネット化”の略称で、さまざまな物体に通信機能を持たせて利便性を高め、新たな価値を創造する仕組みだ。市場規模は5年以内に現在の2倍超になると見込まれている。

 SBI証券投資調査部シニアマーケットアナリストの藤本誠之氏はこう話す。

「AI同様、投資家の関心を集めるのはシステム開発に関わる企業ですが、用途が時勢に適っているかどうかを加味したい。例えば、高齢化に悩む農業ビジネスに進出するネクスグループは上昇余地が大きいと見ています」

 藤井氏と藤本氏が「今後買いが進む分野」と口を揃えるのが、「フィンテック」だ。「金融(ファイナンス)+技術(テクノロジー)」の造語で、今やインターネット決済などの金融サービスは一般の消費活動でも欠かせないサービスである。

「今後はビットコイン(仮想通貨)に関連する分野に注目です。昨夏、メガバンクトップの三菱東京UFJ銀行がビットコインに参入することが金融業界の大ニュースとなりました。すでに仮想通貨取引所に参画実績があるSJIなどに上昇期待があります」(藤井氏)

 また、これらの技術に欠かせない半導体分野も成長が有力視され、「今や世界最大の“半導体消費国”となった中国向けに輸出するローツェ、アドバンテストなども外せない」(藤本氏)という。

※週刊ポスト2017年2月3日号

関連キーワード

トピックス

寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《木漏れ日のなかベビーカーを押す海外生活》眞子さん、苦渋の決断の背景に“寂しい思いをしている”小室圭さん母・佳代さんの親心
NEWSポストセブン
原付で日本一周に挑戦した勝村悠里さん
《横浜国立大学卒の24歳女子が原付で日本一周に挑戦》「今夜泊めてもらえませんか?」PR交渉で移動…新卒入社→わずか1年で退職して“SNS配信旅”を決意
NEWSポストセブン
米インフルエンサー兼ラッパーのリル・テイ(Xより)
金髪ベビーフェイスの米インフルエンサー(18)が“一糸まとわぬ姿”公開で3時間で約1億5000万円の収益〈9時から5時まで働く女性は敗北者〉〈リルは金持ち、お前は泣き虫〉
NEWSポストセブン
「第42回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
《ヘビロテする赤ワンピ》佳子さまファッションに「国産メーカーの売り上げに貢献しています」専門家が指摘
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《総スカン》違法薬物疑惑で新浪剛史サントリー元会長が辞任 これまでの言動に容赦ない声「45歳定年制とか、労働者を苦しめる発言ばかり」「生活のあらゆるとこにでしゃばりまくっていた」
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《エプスタイン事件の“悪魔の館”内部写真が公開》「官能的な芸術品が壁にびっしり」「一室が歯科医院に改造されていた」10代少女らが被害に遭った異様な被害現場
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、インスタに投稿されたプライベート感の強い海水浴写真に注目集まる “いいね”は52万件以上 日赤での勤務をおろそかにすることなく公務に邁進
女性セブン
岐路に立たされている田久保眞紀・伊東市長(共同通信)
“田久保派”の元静岡県知事選候補者が証言する “あわや学歴詐称エピソード”「私も〈大卒〉と勝手に書かれた。それくらいアバウト」《伊東市長・学歴詐称疑惑》
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「少女を島に引き入れ売春斡旋した」悪名高い“ロリータ・エクスプレス”にトランプ大統領は乗ったのか《エプスタイン事件の被害者らが「独自の顧客リスト」作成を宣言》
NEWSポストセブン
東京地裁
“史上最悪の少年犯罪”「女子高生コンクリート詰め事件」逮捕されたカズキ(仮名)が語った信じがたい凌辱行為の全容「女性は恐怖のあまり、殴られるままだった」
NEWSポストセブン
「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路とは…(写真/イメージマート)
【1500万円が戻ってこない…】「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路「経歴自慢をする人々に囲まれ、次第に疲弊して…」
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン