俳優・光石研(55)が「名脇役」と呼ばれるようになって久しい。決して目立ちはしないものの、ああ、あの映画にもこのドラマにもと、おびただしい数の作品に渋い味を添えてきた。まさに名うてのバイプレイヤーなのだ。
そんなバイプレイヤーを題材にしたドラマ『バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~』(テレビ東京系)が1月13日にスタートした。
光石のほか遠藤憲一、大杉漣、田口トモロヲ、寺島進、松重豊の6人のバイプレイヤーたちが、世界的映画監督の作品に出演するため、シェアハウスで共同生活を送るというコメディだ。
若いときには、演技過剰で「悪目立ち」しようとしていたと打ち明ける光石だが、多彩な役を演じていく中で、それが嘘のように、そぎ落とした演技をする役者として輝き出した。
「僕、本当に個性的じゃないんですよ。個性を消しているわけではなく、個性がないんです。それを逆手にとって『個性なき個性』と自分で言っているだけで(笑い)。
この間も福島のロケで農家のおじさん役で長靴を履いていたら、『これだけ長靴が似合う人はいない、本物みたい』ってスタッフが言うから、そんな褒め言葉いらないよって言ったんです。だってどんな格好をしていても、さすが放つオーラがあると言われるのが本来の役者でしょ。まあ、そんなことを言いつつ、長靴姿を褒められて嬉しい自分もいるんですけどね(笑い)」