ビジネス

使うほどツヤと深みが増す 吉野杉使った曲がるシステム手帳

使うほどにツヤと深みが増す吉野杉を使った曲がる手帳

 4月始まりやキャラクターものなどが登場し、種類が格段に増えている手帳。なかでも、注目を集めているのが木製の手帳なのだが、これがただの木製ではない。「曲がる木のシステム手帳」iLignos(アイリグノス 1万800円)なのだ。

 製造元の「名古屋木材」(愛知県名古屋市)は1945年創業で、木材や合板などを扱い、住宅建築も行っている。

「日本の森林率は国土の約68%ですが、木材自給率は約3割。豊かな木は伐採されずに放置され、森林は荒廃。土砂災害を招くなど問題化しています。自然からの最高の贈り物である木材を有効に使うために、“極め、見分け、生かし、循環型社会形成に貢献する”のが、わが社の理念。長年の研究から、新しい木の素材を生み出してきました」

 と、同社経営企画部・栗原慎二さんは語る。

 日本に多く植林されている杉やヒノキは、木材の中では比較的柔らかいため、使い道が限られてしまう。そこで、最初に開発したのが“硬い木”だ。化学薬品を使わず、水蒸気や熱、プレスの力だけで行う独自の圧縮成形加工により、木を約半分に圧縮。こうしてできた密度が高く硬い木は、ゴルフのパターに使われるなど用途が拡大。そこで、この技術を応用して、今度は“柔らかい木”の開発に着手した。

「厚さは約1.2mm。普通の木材をこの薄さにすると簡単に割れますが、独自の木材圧縮成形技術を施すことで、驚くほどの柔軟性が生まれました。木目に沿ってしか曲がりませんが、一般的な革製品と同じくらい柔らかいので、無理なく曲げられますよ」(栗原さん、以下「」内同)

 開発を始めてから約1年、2016年3月に完成したシステム手帳は、木目や色合い、曲がり具合もさまざまだ。

「日頃の手入れは柔らかい布で拭けばOK。経年による風合いの変化も楽しめます」

 奈良の吉野杉を柔らかく圧縮して独自の素材を作り上げている。

「杉の香りには、脳をリラックスさせる効果があるといわれています。温もりのある手触りは、蜜ろうなどを含む天然成分由来のワックス仕上げによるもの。完全ではありませんが、防水性もありますよ」

「ウッドデザイン賞2016 奨励賞(審査委員長賞)」などの受賞歴もある。

※女性セブン2017年2月9日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン
維新に新たな公金還流疑惑(左から吉村洋文・代表、藤田文武・共同代表/時事通信フォト)
【スクープ!新たな公金還流疑惑】藤田文武・共同代表ほか「維新の会」議員が党広報局長の“身内のデザイン会社”に約948万円を支出、うち約310万円が公金 党本部は「還流にはあたらない」
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《ほっそりスタイルに》“ラブホ通い詰め”報道の前橋・小川晶市長のSNSに“異変”…支援団体幹部は「俺はこれから逆襲すべきだと思ってる」
NEWSポストセブン
東京・国立駅
《積水10億円解体マンションがついに更地に》現場責任者が“涙ながらの謝罪行脚” 解体の裏側と住民たちの本音「いつできるんだろうね」と楽しみにしていたくらい
NEWSポストセブン
今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン