国際情報

胡錦濤氏の側近・令計画氏が獄中で異常言動 自作自演説も

終身刑の判決を受けた令計画氏の現状は

 中国の最高指導者だった胡錦濤前国家主席の側近中の側近で、昨年7月に汚職や国家機密漏えい罪などで終身刑の判決を受けた令計画・元中国共産党中央弁公庁主任が収監中の北京・秦城監獄で異常な言動を繰り返していることが分かった。

 突然、息子の令谷氏や弟の令完成氏、あるいは元愛人の女性の名前を叫んだと思うと、すぐに大きな声で笑ったり、驚いて駆けつけた看守を怒鳴りつけたり、「早く監獄から出してほしい」と哀願したり、じっと床を見つめて、数時間動かないこともあるという。

 医師は神統合失調症の症状と診断しているが、香港メディアのなかには「病気療養の仮釈放の措置を受けるための自作自演では?」と伝えるところもある。ロイター通信などが報じた。

 令計画氏は胡錦濤氏がトップだった中国共産主義青年団(共青団)出身で、胡氏に気にいられ、20年以上も秘書的な役割を果たし、胡氏が党トップ時代には党務全般を切り盛りする党中央弁公庁主任を務め、最高指導部入り目前とみられていた。

 ところが、息子が超高級車を乗り回し、自動車事故で死亡した事件がきっかけで、他の腐敗幹部との関係が表面化。2015年7月には逮捕され、裁判で終身刑を受け、全財産を没収された。令氏の兄や姉、妻ら一族郎党も逮捕され、その全体の収賄額は837億元(約1兆3810億円)にも達するとの情報もある。

 また、令氏は、現在米国内に潜伏しているといわれる弟の令完成氏に国家機密が書かれた書類や写真などを多数渡しており、その内容について厳しい取り調べを受けているとも伝えられる。

 このため、一部香港メディアはその追及の矛先をかわすために、令計画氏が精神に異常をきたしたような振りをしているのではないかと分析している。令氏は以前にも、取り調べ中に都合が悪くなると、急に泣き出したり、大声でわめいたりするなどで病院に3回搬送されたことがある。そのため「今回も自作自演の可能性は捨てきれない」と香港誌「動向」は報じている。

 米国を拠点にする中国問題専門の華字ニュースサイト「他維新聞網」のコメント欄には、「中国共産党の権力闘争は休むことを知らない。令計画が監獄に入っている間にも、それは続いているのだ。習近平もおちおちしてはいられない」などとの書込みがみられる。

関連キーワード

トピックス

前回は歓喜の中心にいた3人だが…
《2026年WBCで連覇を目指す侍ジャパン》山本由伸も佐々木朗希も大谷翔平も投げられない? 激闘を制したドジャースの日本人トリオに立ちはだかるいくつもの壁
週刊ポスト
高市早苗首相(時事通信フォト)
高市早苗首相、16年前にフジテレビで披露したX JAPAN『Rusty Nail』の“完全になりきっていた”絶賛パフォーマンスの一方「後悔を感じている」か
女性セブン
2025年九州場所
《デヴィ夫人はマス席だったが…》九州場所の向正面に「溜席の着物美人」が姿を見せる 四股名入りの「ジェラートピケ浴衣地ワンピース女性」も登場 チケット不足のなか15日間の観戦をどう続けるかが注目
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
「『あまり外に出られない。ごめんね』と…」”普通の主婦”だった安福久美子容疑者の「26年間の隠伏での変化」、知人は「普段どおりの生活が“透明人間”になる手段だったのか…」《名古屋主婦殺人》
NEWSポストセブン
「第44回全国豊かな海づくり大会」に出席された(2025年11月9日、撮影/JMPA)
《海づくり大会ご出席》皇后雅子さま、毎年恒例の“海”コーデ 今年はエメラルドブルーのセットアップをお召しに 白が爽やかさを演出し、装飾のブレードでメリハリをつける
NEWSポストセブン
昨年8月末にフジテレビを退社した元アナウンサーの渡邊渚さん
「今この瞬間を感じる」──PTSDを乗り越えた渡邊渚さんが綴る「ひたむきに刺し子」の効果
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《中村橋之助が婚約発表》三田寛子が元乃木坂46・能條愛未に伝えた「安心しなさい」の意味…夫・芝翫の不倫報道でも揺るがなかった“家族としての思い”
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
「秋らしいブラウンコーデも素敵」皇后雅子さま、ワントーンコーデに取り入れたのは30年以上ご愛用の「フェラガモのバッグ」
NEWSポストセブン
八田容疑者の祖母がNEWSポストセブンの取材に応じた(『大分県別府市大学生死亡ひき逃げ事件早期解決を願う会』公式Xより)
《別府・ひき逃げ殺人》大分県警が八田與一容疑者を「海底ゴミ引き揚げ」 で“徹底捜査”か、漁港関係者が話す”手がかり発見の可能性”「過去に骨が見つかったのは1回」
愛子さま(撮影/JMPA)
愛子さま、母校の学園祭に“秋の休日スタイル”で参加 出店でカリカリチーズ棒を購入、ラップバトルもご観覧 リラックスされたご様子でリフレッシュタイムを満喫 
女性セブン
悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、筑波大学の学園祭を満喫 ご学友と会場を回り、写真撮影の依頼にも快く応対 深い時間までファミレスでおしゃべりに興じ、自転車で颯爽と帰宅 
女性セブン
クマによる被害が相次いでいる(getty images/「クマダス」より)
「胃の内容物の多くは人肉だった」「(遺体に)餌として喰われた痕跡が確認」十和利山熊襲撃事件、人間の味を覚えた“複数”のツキノワグマが起こした惨劇《本州最悪の被害》
NEWSポストセブン