――2時10分、フロアの明かりが消され、交差点周辺が一気に暗くなる。厨房の明かりはまだ灯っていて、奥でスタッフが動いている姿が遠目に見えた。

 ファミレスがなくなるわけじゃない。24時間営業がなくなるだけ。しかし、誰かと一緒に窓一面の朝陽を浴びながら翌朝を迎えることがなくなってしまうのが寂しい――石原さんは続ける。

「漫画喫茶に客を取られたっていうけど、ファミレスは全然違いますよ。

 あの時間、あそこにあるのは仲間とのトークだけ。それを乗り越えた朝、うわーっていう絶望感もあるけど達成感もある。あの独特のけだるさはファミレスじゃないと味わえない。釈迦だって明けの明星に悟りを開いたんですから」(石原さん)

 石原さんは、ピコルと呼ばれる押しボタンで店員を呼ぶシステムが導入された頃から、機械に頼ることへの危機感を持っていたと言う。

「今はなんでも個の時代で、若者は飲みにも行かず、遊ぶこともなく、家で過ごすって言いますよね。スマホがあるからつながってられるって。でもそれがすごく危険じゃないかって。たとえば“大丈夫?”って聞いて“大丈夫”って答えが来ても、実は大丈夫じゃなかったりすることがLINEではわからないんですよ。青白い顔して“大丈夫”って言ってるかもしれない。

 ファミレスでは“何かあったのか聞いてほしい”とため息ばかりこぼす友人がいて(笑い)、むかつくけど、それだって気づけるのは会ってるからなんですよね。そういうことも、深夜2時から明け方のあの時間だから話せたりするんですよね」(石原さん)

※女性セブン2017年2月23日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン