ビジネス

スーパーの定番惣菜 液卵、豆乳、炊飯油など使い低価格実現

定番お惣菜に隠された企業努力とは(写真はイメージ)

 コロッケやメンチカツ、トンカツなどスーパーで売られている揚げ物は安くて人気だが、揚げ物とともに、スーパーのお惣菜の定番となっているのが「やきとり」である。

 安さを謳う居酒屋チェーンで1本100円超で売っているものを、1本50円程度で販売している店舗がザラにある。なぜここまで安くできるのか。

「中国などから冷凍の既製品を輸入しているから実現できる価格。安い肉でも“本格派”に見せるために、炭火で軽く炙って風味を付けている店舗もありますね」(都内スーパー店員)

 また、弁当のおかずの定番である「たまご焼き」にも、コストを下げる秘密がある。食品表示アドバイザーの垣田達哉氏がいう。

「殻付きの卵ではなく、工場で殻を割って精製する『液卵』を使っているものがほとんどです。液体状なので卵として運ぶよりかさばらず、輸送費も抑えられるため安い。殻付きのものと比較して最大で50%のコストカットになります」

 それだけではない。たまご焼きに“卵以外のもの”を入れることで、美味しさとコスト削減の両立を図っているものもある。大手スーパー店員の話。

「ウチのスーパーで作っているたまご焼きは『豆乳』を加えています。これにより使用する卵の量を節約できるだけでなく、たまご焼きがフワフワに仕上がるんです。豆乳は卵に比べてはるかに安いので、通常よりも2割程度安いコストで作れる」

 1個50~70円とコンビニの半額程度の値段で「おにぎり」を販売できるのは、あるものを“チョイ足し”することで長持ちさせているからだ。

「時間が経ってもカチカチにならないように、米を炊く際にサラダ油などでできた『炊飯油』が加えられているのです。これを使うと、保存が利くとともに、米に照りが出たり海苔がくっついたりしおれにくくなったりする効果がある」(同前)

 寿司のシャリにも、この「炊飯油」が加えられることが多いという。一方でコンビニのおにぎりはどうか。

「昔は炊飯油を添加していたことも多かったですが、最近のコンビニでは酸化を避けるために添加しないことも多い。これは、品質を向上させることでスーパーの“激安路線”に対抗するためです。そういった理由でスーパーより割高になっているのでしょう」(食品ジャーナリスト)

※週刊ポスト2017年2月24日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

「高市外交」の舞台裏での仕掛けを紐解く(時事通信フォト)
《台湾代表との会談写真をSNSにアップ》高市早苗首相が仕掛けた中国・習近平主席のメンツを潰す“奇襲攻撃”の裏側 「台湾有事を看過するつもりはない」の姿勢を示す
週刊ポスト
クマ捕獲用の箱わなを扱う自衛隊員の様子(陸上自衛隊秋田駐屯地提供)
クマ対策で出動も「発砲できない」自衛隊 法的制約のほか「訓練していない」「装備がない」という実情 遭遇したら「クマ撃退スプレーか伏せてかわすくらい」
週刊ポスト
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン
文京区湯島のマッサージ店で12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕された(左・HPより)
《本物の“カサイ”学ばせます》12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕、湯島・違法マッサージ店の“実態”「(客は)40、50代くらいが多かった」「床にマットレス直置き」
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《いきなりテキーラ》サンタコスにバニーガール…イケイケ“港区女子”Nikiが直近で明かしていた恋愛観「成果が伴っている人がいい」【ドジャース・山本由伸と交際継続か】
NEWSポストセブン
3年間に合計約818万円のガソリン代を支出していた平口洋・法務大臣(写真/共同通信社)
高市内閣の法務大臣・平口洋氏が政治資金から3年間で“地球34周分のガソリン代”支出、平口事務所は「適正に処理しています」
週刊ポスト
Mrs. GREEN APPLEのギター・若井滉斗とNiziUのNINAが熱愛関係であることが報じられた(Xより/時事通信フォト)
《ミセス事務所がグラドルとの二股を否定》NiziU・NINAがミセス・若井の高級マンションへ“足取り軽く”消えた夜の一部始終、各社取材班が集結した裏に「関係者らのNINAへの心配」
NEWSポストセブン
山本由伸(右)の隣を歩く"新恋人”のNiki(TikTokより)
《チラ映り》ドジャース・山本由伸は“大親友”の元カレ…Niki「実直な男性に惹かれるように」直近で起きていた恋愛観の変化【交際継続か】
NEWSポストセブン
米大リーグ、ワールドシリーズ2連覇を達成したドジャースの優勝パレードに参加した大谷翔平と真美子さん(共同通信社)
《真美子さんが“旧型スマホ2台持ち”で参加》大谷翔平が見せた妻との“パレード密着スマイル”、「家族とのささやかな幸せ」を支える“確固たる庶民感覚”
NEWSポストセブン
モデル・Nikiと山本由伸投手(Instagram/共同通信社)
《交際説のモデル・Nikiと歩く“地元の金髪センパイ”の正体》山本由伸「31億円豪邸」購入のサポートも…“470億円契約の男”を管理する「幼馴染マネージャー」とは
NEWSポストセブン
高校時代の安福容疑者と、かつて警察が公開した似顔絵
《事件後の安福久美子容疑者の素顔…隣人が証言》「ちょっと不思議な家族だった」「『娘さん綺麗ですね』と羨ましそうに…」犯行を隠し続けた“普通の生活”にあった不可解な点
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
NEWSポストセブン