国内

「貧乏だから…」が口癖の母から上京時にもらった驚きの通帳

最初で最後の母からの贈り物…感動の実話エピソード

 まもなく、進学や就職など、上京の季節がやってくる。そこで、28才の会社員の方にこの季節の思い出を聞いた。

 * * *
「うちは貧乏なんだから、わがままを言っちゃダメ」

 私は幼い頃、いつも自分にこう言いきかせていました。私は生まれてすぐ、父を病で亡くし、母子家庭で育ちました。母は高校卒業後すぐに結婚し、職務経験がなかったため、いい職に就けず、パートを掛け持ちしていたのです。

 小学6年生の時、ズボンの膝が破け、「これで新しいのを買ってもらえる」と淡い期待を抱いて母にお願いしたことがありました。すると翌朝、破れた部分にアップリケを縫いつけたズボンを渡されたのです。私は思わずズボンを投げつけました。こんなズボンをはいて行ったら、笑い者になると思ったのです。

「お母さんは私がどれだけ恥ずかしい思いをしているかわかってない!」

 それまでのがまんが爆発しました。私はそれ以来、母とあまり話をしなくなりました。そして高校生になったある日、私の目を覚ます出来事が。私は母のお弁当を間違って持って行ったのです。そのお弁当は私のものより重く、「私よりいいものを食べてるんだ」などと思いながらふたを開けました。すると、白米しか入っていません。その時初めて、自分の食費を切り詰めて私を育ててくれていると気づいたのです。

 いい大学、いい企業に入って、母を楽にしてあげたい。それからの私は勉強に打ち込み、志望大学に合格。学費も生活費も自分でなんとかするつもりで上京し、ひとり暮らしを始めることとなりました。

 別れの日、母は私名義の通帳をくれました。通帳を開くと、驚くほどのお金が貯められていました。

 この日のために食費を削って、着飾らず、化粧も一切せず…。どれほど苦労したでしょう。今でも母は働いていますが、私も仕送りができるように、今度は私が母の役に立っていけたらと思っています。

※女性セブン2017年3月9日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

《解散強行の波紋》高市首相、大学受験シーズンの選挙でタイミングは「最悪」 支持率高い10代の票は望めずか
《解散強行の波紋》高市首相、大学受験シーズンの選挙でタイミングは「最悪」 支持率高い10代の票は望めずか
NEWSポストセブン
歌舞伎役者・中村鶴松(本名・清水大希)容疑者
《歌舞伎・中村鶴松が泥酔トイレ蹴りで逮捕》「うちじゃないです」問題起きたケバブ店も口をつぐんで…関係者が明かす“中村屋と浅草”ならではの事情
NEWSポストセブン
ブルックリン・ベッカムと、妻のニコラ・ペルツ(Instagramより)
《ベッカム家に泥沼お家騒動》長男ブルックリンが父母に絶縁宣言「一生忘れられない屈辱的な記憶」は結婚式で実母ヴィクトリアとの“強制ファーストダンス”、新婦は号泣
NEWSポストセブン
初場所初日を迎え、あいさつする日本相撲協会の八角理事長(2026年1月11日、時事通信フォト)
土俵が大荒れのなか相撲協会理事選は「無投票」へ 最大派閥・出羽海一門で元横綱・元大関が多数いるなか「最後のひとり」が元小結の尾上親方に決まった理由
NEWSポストセブン
。一般人を巻き込んだ過激な企画で知られるイギリス出身のインフルエンサーのボニー・ブルー(Instagramより)
「行為を終える前に準備」「ゴー、ゴー、ゴーです」金髪美女インフルエンサー(26)“12時間で1000人以上”を記録した“超スピード勝負な乱倫パーティー”の実態
NEWSポストセブン
米倉涼子が書類送検されたことがわかった
《5か月ぶりの表舞台直前で》米倉涼子、ギリギリまで調整も…主演映画の試写会前日に“書類送検”報道 出席が見送られていた
NEWSポストセブン
天皇皇后、愛子さま
《溜席の着物美人が2日連続で初場所に登場》6年ぶりの天覧相撲に感じた厳粛さを語る 力士のみならず観客も集中し、「弓取り式が終わるまで帰る人がいなかった」
NEWSポストセブン
肺がんのため亡くなったフリーアナウンサーの久米宏さん(時事通信フォト)
《キー局に就職した有名アナも》久米宏さんに憧れて男性アナウンサーを目指した人たち 爆笑問題・田中はTBSラジオでのバイト時代に「久米宏さんになりたかった」
NEWSポストセブン
近代化する火葬業の舞台裏に迫ったジャーナリストの伊藤博敏氏
《火葬ビジネスの裏面史》都内の火葬場を独占する「東京博善」は中国人実業家がトップに就任…いまも「民間の火葬場」が生き残っている歴史的経緯
週刊ポスト
米倉涼子が書類送検されたことがわかった
《ゲッソリ痩せた姿で取調室に通う日々》米倉涼子が麻薬取締法違反で書類送検、昨年末に“捜査終了”の匂わせ 元日にはファンに「ありがとう」と発信
NEWSポストセブン
 相撲観戦のため、国技館へ訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2026年1月18日、撮影/JMPA)
「美しすぎて語彙力消失した」6年ぶりの天覧相撲 雅子さまは薄紫の着物、愛子さまは桜色の振袖姿でご観戦
NEWSポストセブン
次期衆院選への不出馬を表明する自民党の菅義偉元首相(時事通信フォト)
《一体今は何キロなのか…》菅義偉元首相が引退を表明「健康状態は全く問題ない」断言から1年足らずでの決断 かつて周囲を驚かせた“10キロ以上の激ヤセ”
NEWSポストセブン