国内

視聴率調査、機械使用は関東・関西・名古屋のみ 他は手動

視聴率の測定方法は?

 視聴率という指標ができて今年で55年となる。最近とりわけ、上がった、下がったと、視聴率に関するニュースがなにかと報じられるように。いつの間にか「視聴率がいい=面白い番組=見るべき番組」――そんなふうに考えてはいないだろうか。でも、それって何か違う気がする。見たい番組を心おきなく見るために、私たちが知っておくべき視聴率の謎に迫った。

 あなたは調査対象世帯になったという人の話を聞いたことがあるだろうか? ビデオリサーチは全国27地区の6900世帯に協力してもらい、テレビに独自の機器をつないで「放送中にどれだけの世帯がテレビをつけていたか」を計測している。

「大家族から夫婦2人、お年寄りの1人暮らしまで、対象世帯はさまざま。社会全体の縮図になっていなければ意味がありませんから」(ビデオリサーチ担当者)

 関東地区では900世帯が調査対象で、1世帯が見ていれば視聴率は約0.1%ということになる。調査対象となる世帯は無作為に抽出され、期間は2年。毎月30~40世帯ずつが入れ替わるという。

 ただし「わが家は、視聴率の調査対象世帯です」なんて漏らすのは絶対タブー。「うちの局をつけっぱなしにしておいて」「この番組を必ず見て」とテレビ局が対象世帯に働きかける不正が起こりかねないからだ。

「調査世帯のかたには守秘義務をお願いしています。厳重に管理されており、社内でも調査対象世帯を知っているのはごく一部の部署の人間しかいません。もちろん私も知りません(笑い)」(ビデオリサーチ担当者)

 病院、事務所、寮、テレビ非所有世帯、そしてマスコミ関係者のいる世帯などは除くようにしているという。

 テレビに取り付けたチャンネルセンサーという計測機器が「どの番組を見たか」を自動的に記録し、そのデータが毎日、ビデオリサーチに送られる。これは「世帯視聴率」を測るための機器だ。

 と同時に「ピープルメータ(PM)」という個人視聴率を計測する機器もあり、調査対象世帯の家族それぞれが番組を見る時にボタンを押す。

「世帯の中の誰が見たかを測定しています。ボタンには家族の顔のイラストをつけるなど、入力ミスがないように工夫しています」(ビデオリサーチ担当者)

 ただし、PM調査を実施しているのは、世帯視聴率調査が導入されている全国27地区のうち、関東、関西、名古屋の3地区だけ。それ以外の地区の個人視聴率は日記式調査により測定している。福井、山梨、徳島、佐賀、宮崎の各県は調査対象外だ。

「そこで地元の局から委託され、当社が日記式の調査を行っています。この調査は、協力世帯に“その時間に何を視聴していたか”を調査票に線を引いてもらって調べる方法です。年に数回、特定期間に調査をしています」(ビデオリサーチ担当者)

 当該局のあるテレビマンが打ち明ける。

「日記式調査はうちの県では数百世帯が対象。月曜から日曜まで毎日、5分刻みで記入してもらうので、調査対象世帯の人は大変ですよ。果たしてどこまで正確に書いてもらえているのやら…」

 デジタル時代に、なんともアナログな…。

※女性セブン2017年3月16日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

都内の人気カフェで目撃された田中将大&里田まい夫妻(時事通信フォト/HPより))
《ファーム暮らしの夫と妻・里田まい》巨人・田中将大が人気カフェデートで見せた束の間の微笑…日米通算200勝を目前に「1軍から声が掛からない事情」
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
新横綱・大の里(時事通信フォト)
《横綱昇進》祖父が語る“怪物”大の里の子ども時代「生まれたときから大きく、朝ご飯は2回」「負けず嫌いじゃなかった」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
ヤクザが路上で客引きをしていた男性を脅すのにトクリュウを呼んで逮捕された(時事通信フォト)
《ヤクザとトクリュウの上下関係が不明に》大阪ミナミでトクリュウを集めて客引き男性を脅して暴力団幹部が逮捕 この事件で”用心棒”はどっちだったのか 
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
新横綱・大の里(時事通信フォト))
《地元秘話》横綱昇進の“怪物”大の里は唯一無二の愛されキャラ「トイレにひとりで行けないくらい怖がり」「友達も多くてニコニコしてかわいい子だったわ」
NEWSポストセブン
ミスタープロ野球として、日本中から愛された長嶋茂雄さんが6月3日、89才で亡くなった
長島三奈さん、自身の誕生日に父・長嶋茂雄さんが死去 どんな思いで偉大すぎる父を長年サポートし続けてきたのか
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
金髪美女インフルエンサー(26)が “性的暴力を助長する”と批判殺到の「ふれあい動物園」企画直前にアカウント停止《1000人以上の男性と関係を持つ企画で話題に》
NEWSポストセブン
逮捕された波多野佑哉容疑者(共同通信)。現場になったラブホテル
《名古屋・美人局殺人》「事件現場の“女子大エリア”は治安が悪い」金髪ロングヘアの容疑者女性(19)が被害男性(32)に密着し…事件30分前に見せていた“親密そうな様子”
NEWSポストセブン
東京・昭島市周辺地域の下水処理を行っている多摩川上流水再生センター
《ウンコは資源》排泄大国ニッポンが抱える“黄金の資源”を活用できてない問題「江戸時代の取引金額は10億円前後」「北朝鮮では売買・窃盗の対象にも」
NEWSポストセブン
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《佳子さまの寝顔がSNSで拡散》「本当に美しくて、まるで人形みたい」の声も 識者が解説する佳子さま“現地フィーバー”のワケ
NEWSポストセブン