自民党・衆議院議員の石破茂氏
小林:女性宮家や女系天皇については、3月号の本誌SAPIOで男系主義者の八木秀次(麗澤大学教授)と対談したんですが、メチャクチャな話でしたよ。「旧宮家の男系男子で皇室に入ってもよいと考えている人物がいると聞いている」というんだけど、記者会見はしない、皇籍取得が決まってから発表するというんです。本当にそういう人物がいるかどうかわからないのでは、そのための法律も作れない。
石破:私も、「そういう人物がいると聞いています」という人がいるとは聞いています(笑)。でも、昨日まで一般国民として生活していた人が、「私が宮家になります」と手を挙げるかどうか、そして宮家のお務めが果たせるのかどうかは疑問ですね。
小林:安倍首相は国会で、民進党の細野豪志の質問に対して、旧宮家の復帰を「首相就任前に、一つの選択肢としてあり得るのでないかと考えていた」と答えたんですよ。わしは、前よりトーンダウンしたと感じましたね。探したけど、結局はいなかったんじゃないかな。だから「首相になる前の意見にすぎない」と逃げを打った。それでも自分は男系主義の自称保守派に支えられているから、皇室典範改正には踏み込まない。権力を維持するために天皇を犠牲にしているわけですよ。これは逆賊でしょう。
石破:それはまた凄い言い方ですね。自民党員としては賛同しかねますが。
小林:じゃあ、わしが代わりにいいますよ(笑)。安倍晋三は天皇の逆賊だ!
●構成/岡田仁志(フリーライター)
※SAPIO2017年4月号