前述したように、視聴者は怒りや毒舌をベースにした番組にすっかり慣れました。実際、テレビマンたちが求める視聴率を獲得しているのは、『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)、『ぴったんこカン・カン』(TBS系)、『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)、『笑ってコラえて!』(日本テレビ系)などの「単純に笑える」「家族でのんびり見られる」番組ばかり。「多くの視聴者がテレビに怒りや毒舌を求めているわけではない」ことが分かりますし、深夜番組も例外ではありません。
その意味で、惜しまれるほど人気のある段階で、新番組に切り換えるのは英断。新番組はマツコさんと有吉さんのさらなる魅力を発掘してくれるのではないかと期待しています。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本前後のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』『TBSレビュー』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。