ライフ

ネチネチしつこい豊臣秀吉は中小企業のワンマン社長的だった

人たらしだった秀吉 東京大学史料編纂所所蔵模写

 豊臣秀吉は戦国時代から安土桃山時代の大名。農家出身で、織田信長に仕え、「懐で草履を暖めた」エピソードが有名だ。信長亡き後に関白となり天下統一を果たしたが、東京大学史料編纂所助教の村井祐樹氏は「素顔」についてこう指摘する。

 * * *
 農民から天下人へと登り詰めた戦国時代一の出世者・豊臣秀吉。信長の草履を懐で暖めたという逸話にはじまり、竹中半兵衛ら有能な武将たちを魅了した、気配りと人たらしの魅力的な人物像が一般に伝えられる秀吉のイメージだろう。

 しかし、2014年に33通もの秀吉ゆかりの書状が兵庫県たつの市で発見され、これまで知られていなかった秀吉の性格が見えてきた。そこには気配りで人を魅了する秀吉はおらず、ネチネチとしつこい、偏執的な秀吉の姿が見えてきたのだ。

 新たに見つかった書状は、功臣「賤ヶ岳の七本槍」のひとりに数えられる、秀吉子飼いの武将・脇坂安治に宛てたものだ。「本能寺の変」から約2年後の天正12年(1584年)の「小牧・長久手の戦い」の頃から「朝鮮出兵」までの約10年間、天下統一の途上に送られたものになる。

 秀吉は筆まめであり8000通を超える書状が現存しているが、支配関係の、いわば事務的な内容のものが多く、書状から秀吉の性格を読み取れるものは少なかった。今回発見された書状は秀吉の天下統一の過程を知る貴重な史料になると同時に、新たな秀吉像を提示している。

 伊賀攻めの功績で秀吉から伊賀に所領を与えられた脇坂安治は、京都御所用の材木の出荷管理の担当を命じられていた。秀吉は書状でことあるごとに安治に材木をきちんと出すように命じていた。

 天正13年、特に7月から8月に出された書状は7通すべてで念を押すように材木出荷を催促している。7月2日の次の書状の日付は7月6日とわずか4日後であり、安治の返信はおろか、おそらく先の書状が安治に届く前に次の書状を書いている。北陸方面に出征していた8月も12、18、25、27日と短い間隔で書状を送り続けている。

トピックス

結婚生活に終わりを告げた羽生結弦(SNSより)
【全文公開】羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんが地元ローカル番組に生出演 “結婚していた3か間”については口を閉ざすも、再出演は快諾
女性セブン
「二時間だけのバカンス」のMV監督は椎名のパートナー
「ヒカルちゃん、ずりぃよ」宇多田ヒカルと椎名林檎がテレビ初共演 同期デビューでプライベートでも深いつきあいの歌姫2人の交友録
女性セブン
NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
《重い病気を持った子を授かった夫婦の軌跡》医師は「助からないので、治療はしない」と絶望的な言葉、それでも夫婦は諦めなかった
《重い病気を持った子を授かった夫婦の軌跡》医師は「助からないので、治療はしない」と絶望的な言葉、それでも夫婦は諦めなかった
女性セブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン