非売品のうまい棒が関連施設に置かれていた


◆「保守ライン」がつながった

 典型的な地方の小都市・小松を走ると、「空港」の道路標示がある。そういえば金沢近郊には小松空港があることを私は思い出した。ものはついでと空港まで走らせる。

 同空港は航空自衛隊(小松基地)との軍民共用空港で、ソウルや台北などへ国際線も就航する金沢の空の玄関だ。しかし小松基地と言えば忘れられない人物がいよう。第29代航空幕僚長田母神俊雄である。田母神は1998年に小松基地司令としてこの地に着任する。

 アパホテルが初めて東京に進出(信開ホテル東京板橋)を果たしたのが1997年。まさにグループが躍進せんとするその黎明期に、田母神とアパは石川・小松という地縁でつながっている。その10年後の2008年、元谷の肝いりで始まった「真の近現代史観」懸賞論文で田母神の論考が栄えある大賞を受賞するのだ。いわゆる「田母神論文問題」の勃発である。

 くしくも石川・小松の基地司令官としてこの地に赴任した田母神と、小松から全国にその勢力を拡大していったアパと元谷夫妻。元谷は現在でも民間団体「小松基地友の会」の会長を務める。石川・小松という地縁と、論文の選考過程に「関係はない」ことになっている。が、果たして真相はどうか。

 小松から金沢に帰る途中、能美市を通った。人口5万に満たないこの町は丁度、金沢市と小松市の中間地点に位置する。そういえば、と又も下司の勘繰り根性を発揮した私は、この地がかの森喜朗の地元であることに思い至る。森一族はここ能美を地盤とし、歴代町長などを務めた土豪である。

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