4基のエスカレーターで地下1階と1階の回遊性を高めた


 一般的にデパートでは1階は化粧品売り場になっていることが多いが、大丸東京店では1階をスイーツ売り場“デパイチ”にしたのが業界初。しかも1000種類ものお弁当が並ぶ「お弁当ストリート」もある“デパ地下”、通称『ほっぺタウン』も含め、食料品の売り場が、2フロアにまたがる。

 業界の常識を破った経緯を、大丸東京店PR広報の宮川香織さんが明かしてくれた。

「2007年の全面改装がきっかけです。もともと2回に分けてオープンをさせる予定だったのですが、第1期オープンの2007年の時は、床面積が前の建物より小さかったんですね。だからといってその分、食品売り場を縮小してしまうのは、食品の売上比率が高い大丸東京店にとっては致命傷でした。

 それで1階も食品売り場にしたらどうか、という話が出たのですが、社内でも喧々諤々で。“グランドフロアはキラキラしてないとダメだ”という声も多かったんですよ(苦笑)。ですが結局、それにふさわしい食品売り場を作ればいいんじゃないかということになり、ラグジュアリーブランドが入ってもおかしくない内装…約6mほどの高い天井に、床も壁も高級感のある内装にこだわりました」

 これが功を奏した。1階に食料品を置くことによって、「高級感あふれる雰囲気で気持ちよく、手軽なスイーツが買えてうれしい」という旅行客や「1階がコスメ売り場だと女性ばかりで入りづらかったけど、立ち寄りやすくなった」というビジネスマンの来客が増加した。

「2階は化粧品売り場となりましたが、これはこれで、女性客が男性の視線を気にせずに化粧品を試し、買うことができると好評です」(宮川さん)

※女性セブン2017年4月13日号

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