国際情報

京都の山奥に慰安婦像製作者による「徴用工像」が存在

今年8月に徴用工像設置が計画されているソウル市の龍山駅

 銅像は、一度建てられると動かすのは容易ではない。それが政治的意図を伴うものなら、なおさらだ。その場は、運動者たちの「拠点」になる。韓国人による慰安婦像設置がもたらした混乱は、説明するまでもない。さらに、いま、新たなモニュメントが設置されようとしているのをご存じか。その名を、「徴用工像」という。ジャーナリスト・竹中明洋氏がレポートする。

 * * *
 観光客で賑わう京都中心部から北に1時間。数寄屋建築に重用される北山杉の産地を過ぎ、山中をさらに進むと目指す施設があった。「丹波マンガン記念館」。かつて丹波地方に300もあったマンガン鉱山の1つをそのまま保存しており、坑道の中に入るとリアルなマネキンで採掘の様子が再現されている。

 記念館の敷地にやや場違いな印象を与える真新しい銅像があった。肋骨が浮き出るほど痩せこけた上半身裸の男性が、右手に鶴嘴(つるはし)を持ち、左手を頭の高さまで上げる。肩には小鳥が止まっている。

 この像が設置されたのは、昨年8月のことだ。韓国の二大労働組合である全国民主労働組合総連盟(民主労総)と韓国労働組合総連盟(韓国労総)の幹部らが訪れ、韓国から持ち込んだ像を設置した。

 組合員が集めた1億3400万ウォン(1300万円あまり)の基金で設置されたこの像のことを韓国側は「強制徴用労働者像」と呼ぶ。日本側が言うところの「徴用工」の像である。

 韓国では、日本の植民地時代に多くの労働者が強制的に徴用され、日本各地で過酷な労働を強いられたとの主張が展開されている。だが、「国家総動員法」に基づいた「国民徴用令」が朝鮮半島でも適用されたのは、1944年9月からで、それまでは民間の募集と「官斡旋」が主体である。

関連記事

トピックス

2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《不倫報道で沈黙続ける北島康介》元ボーカル妻が過ごす「いつも通りの日常」SNSで垣間見えた“現在の夫婦関係”
NEWSポストセブン
秋篠宮家の長男・悠仁さまの成年式が行われた(2025年9月6日、写真/宮内庁提供)
《凜々しきお姿》成年式に臨まれた悠仁さま 筑波大では「やどかり祭」でご友人とベビーカステラを販売、自転車で構内を移動する充実したキャンパスライフ
NEWSポストセブン
中途採用応募者が急に増えて担当者は困惑(写真提供/イメージマート)
《SNSの偽情報で実害》中途採用に「条件満たさない」応募者が激増した企業、勝手にFラン認定された大学は「少子化の中、学生に来てもらう努力を踏み躙られた」
NEWSポストセブン
趣里(左)の結婚発表に沈黙を貫く水谷豊(右=Getty Images)
趣里の結婚発表に沈黙を貫く水谷豊、父と娘の“絶妙な距離感” 周囲が気を揉む水谷監督映画での「初共演」への影響
週刊ポスト
日本復帰2戦目で初勝利を挙げたDeNAの藤浪晋太郎(時事通信フォト)
横浜DeNA・藤浪晋太郎を大事な局面で起用する三浦大輔監督のしたたかな戦略 相手ファンからブーイングを受ける“ヒール”がCSの行方を左右する
週刊ポスト
宮路拓馬・外務副大臣に“高額支出”の謎(時事通信フォト)
【スクープ】“石破首相の側近”宮路拓馬・外務副大臣が3年間で「地球24週分のガソリン代」を政治資金から支出 事務所は「政治活動にかかる経費」と主張
週刊ポスト
15人の大家族「うるしやま家」(公式HPより)
《ビッグダディと何が違う?》フジが深夜23時に“大家族モノ”を異例の6週連続放送 今、15人大家族「うるしやま家」が人気の背景 
NEWSポストセブン
自身のYouTubeで新居のルームツアー動画を公開した板野友美(YouTubeより)
《超高級バッグ90個ズラリ!》板野友美「家賃110万円マンション」「エルメス、シャネル」超絶な財力の源泉となった“経営するブランドのパワー” 専門家は「20~30代の支持」と指摘
NEWSポストセブン
高校ゴルフ界の名門・沖学園(福岡県博多区)の男子寮で起きた寮長による寮生らへの暴力行為が明らかになった(左上・HPより)
《お前ら今日中に殺すからな》ゴルフの名門・沖学園「解雇寮長の暴力事案」被害生徒の保護者らが告発、写真に残された“蹴り、殴打、首絞め”の傷跡と「仕置き部屋」の存在
NEWSポストセブン
濱田よしえ被告の凶行が明らかに(右は本人が2008年ごろ開設したHPより、現在削除済み、画像は一部編集部で加工しております)
「未成年の愛人を正常に戻すため、神のシステムを破壊する」占い師・濱田淑恵被告(63)が信者3人とともに入水自殺を決行した経緯【共謀した女性信者の公判で判明】
NEWSポストセブン
指定暴力団山口組総本部(時事通信フォト)
《外道の行い》六代目山口組が「特殊詐欺や闇バイト関与禁止」の厳守事項を通知した裏事情 ルールよりシノギを優先する現実“若いヤクザは仁義より金、任侠道は通じない”
NEWSポストセブン
志村けんさんが語っていた旅館への想い
《5年間空き家だった志村けんさんの豪邸が更地に》大手不動産会社に売却された土地の今後…実兄は「遺品は愛用していた帽子を持って帰っただけ」
NEWSポストセブン