ビジネス

マック 高級バーガー発売は働く女性にウケるカフェ狙いか

マックの新レギュラーメニュー「グラン」(同社HPより)

〈今年最大のイノベーションをやる〉──4月3日、日本マクドナルドホールディングスのサラ・カサノバ社長は、実に8年ぶりとなる新レギュラーメニューのハンバーガー「グラン」シリーズ(発売は4月5日~)の商品発表会で、こう自信を漲らせたという。

 使用期限切れの鶏肉使用や異物混入問題などが相次ぎ発覚し、長らく苦戦を強いられてきたマックだが、ようやく息を吹き返しつつある。

 2月上旬に発表した2016年12月期の連結決算では、最終利益が前期349億円の赤字から一転、53億円の黒字となった。また、既存店売上高も2015年12月以降プラス成長を続け、品質問題を起こす前の水準まで戻った。

 一時は深刻な客離れも招いていた同社が、ここまで回復できた要因は何か。

「立て続けに展開してきた期間限定商品やキャンペーンで、話題性を絶やさなかったことが大きい。

 スマホゲーム『ポケモンGO』との連携や『森永ミルクキャラメル』とコラボしたシェイク。その他、限定トッピングを使った『裏メニュー』や“名前募集バーガー”など、時に消費者を巻き込んだマーケティング手法で、来店動機を促してきた」(経済誌記者)

 だが、小手先の話題性ばかりでは、失った信頼を完全に取り戻すことはできない。そこで、マックは並行して商品のブラッシュアップを進めてきた。

 今年1月にコーヒーを5年ぶりに刷新したのもその一例だ。コンビニコーヒーの台頭で存在感が薄れていたコーヒーを、ブラジル、コロンビア、エチオピア産など様々な豆をブレンドして香りがより引き立つように改良。無料配布も行ない、徐々に評価を高めている。

 そして、冒頭で紹介したグランは、V字回復を遂げたマックの将来を占う意味でも重要な大型商品となる。もともと昨年4月に期間限定で発売した「クラブハウスバーガー」が好評だったことから、レギュラー化へと動き出した。だが、単なる前作の格上げではなく、グランに行き着くまでにおよそ200種類もの試作バーガーが検討されてきたという。

 渾身の出来栄えは値段にも表れている。グランシリーズで最も高い「クラブハウス」は単品で490円(税込)。サイドメニューとドリンクをセットにすると790円と、とてもバリュー価格とは呼べない高級ジャンルだ。ほか2種類ある「ベーコンチーズ」「てりやき」も単品で390円する。

 肝心の味はどうか。先行販売している都内店舗で試食した人たちの評価は、いまのところ上々だ。ネット上には、〈ふわふわのパンに肉厚なビーフ、トマトやレタス、玉ねぎなどの野菜もふんだんに入っていて贅沢な感じがした〉といった声が見受けられる。

 フードコンサルタントの白根智彦氏は、グランのレギュラー化によって、マックの客層がガラリと変わる可能性があると指摘する。

関連記事

トピックス

谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
列車の冷房送風口下は取り合い(写真提供/イメージマート)
《クーラーの温度設定で意見が真っ二つ》電車内で「寒暖差で体調崩すので弱冷房車」派がいる一方で、”送風口下の取り合い”を続ける汗かき男性は「なぜ”強冷房車”がないのか」と求める
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
「舌出し失神KO勝ち」から42年後の真実(撮影=木村盛綱/AFLO)
【追悼ハルク・ホーガン】無名のミュージシャンが「プロレスラーになりたい」と長州力を訪問 最大の転機となったアントニオ猪木との出会い
週刊ポスト
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン
話題を集めた佳子さま着用の水玉ワンピース(写真/共同通信社)
《夏らしくてとても爽やかとSNSで絶賛》佳子さま“何年も同じ水玉ワンピースを着回し”で体現する「皇室の伝統的な精神」
週刊ポスト
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
《駆除個体は名物熊“岩尾別の母さん”》地元で評判の「大人しいクマ」が人を襲ったワケ「現場は“アリの巣が沢山出来る”ヒヤリハット地点だった」【羅臼岳ヒグマ死亡事故】
NEWSポストセブン
真美子さんが信頼を寄せる大谷翔平の代理人・ネズ・バレロ氏(時事通信)
《“訴訟でモヤモヤ”の真美子さん》スゴ腕代理人・バレロ氏に寄せる“全幅の信頼”「スイートルームにも家族で同伴」【大谷翔平のハワイ別荘訴訟騒動】
NEWSポストセブン