世界を舞台に戦う日本企業は、誰もが知る大企業だけではない。世界シェアトップを誇る中小企業は国内に数多く存在する。プリザーブドフラワーで世界シェアトップを走るのが、兵庫県丹波市の大地農園だ。
生花のような瑞々しさで、香りのするものまである「プリザーブドフラワー」。同社は、花の水分を油脂に入れ替える技術で世界シェア30%を誇る。ドライフラワー取扱量日本一の専門企業であればこその実績だが、ここに至るまでは茨の道。2003年の商品化まで独自技術の開発に7年かかった。世界を席巻した秘密は、種類の多さ。
「バラなど単一の花をプリザーブド化する企業は他にもありますが、当社はバラ以外にも数百種あり、グリーンの植物も扱っている。多様な花のアレンジメントができるのは世界でわが社だけです」(大地伹社長)
花の形は一輪ずつ選別を行なう。繊細な手作業が求められるため、従事するのはほとんどが女性だ。
■取材・文/小野雅彦 ■撮影/内海裕之
※週刊ポスト2017年4月14日号