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中田英寿 サッカーの次にプロ目指した「日本酒」の世界語る

「世界のヒデ」がサッカーの次に目指したゴールとは?

 いつも冷静沈着な岡田武史・サッカー元日本代表監督(現・日本サッカー協会副会長、今治FC代表取締役)も、その日ばかりは驚いたという。

「昨年9月、私の還暦祝いのパーティーが行なわれたんです。ヒデはちょうど海外にいるということで参加はできなかったんですが、その代わりにと送ってきたのが60本の日本酒。しかも全部別の銘柄で、30本はパーティーの会場用、残りの30本は私が個人で飲む用にと分けてあった。

 僕は、酔っぱらえればなんでも飲む人間なんですが、さすがにどれもすごく美味しかった。人とは違うことで楽しませてくれるのが、ヒデらしいなぁと思いました」

 中田英寿氏は、いま日本酒に本気で向きあっている。2006年、29歳で現役を引退。2009年には沖縄の波照間島から日本全国を巡る旅をスタートし、6年半かけて北海道・宗谷岬までたどり着いた。

「各都道府県、短いところで1週間、長いときは何度も足を運んで1か月以上かけてまわりました。観光地を巡るというよりは、農業や食、伝統工芸、伝統芸能などに携わる人々に出会うための旅です。そこでたくさんの人や文化に触れあい、あらためて日本の魅力を感じたんです」(中田氏・以下同)

 6年半の間で旅に費やしたのは、のべ500日以上。1台の車で約10万kmを走り、2000か所以上を訪問し、1万人以上に出会った。その旅の中でとりわけ彼の心を惹きつけたのが、日本酒だったのだ。

 米と水が醸しだす芳醇な香味。蔵人ひとりひとりの思いが込められた日本酒は、土地によって驚くほどに味わいが変わる。かつて「ワインかシャンパンしか飲まなかった」という中田氏は、日本酒の奥深さを知り、のめり込んだ。

 これまでに訪ねた酒蔵は300以上。元来、真面目な中田氏は、日本酒の勉強を重ね、利き酒師の資格を取り、昨年はついに酒類販売業免許まで取得した。完全に日本酒のプロになったのだ。

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