◆本誌・週刊ポスト記者の取材には……
S記者に電話すると、人事については「持ち場を決めるのは会社なので、私には分かりかねます」と言う(朝日の広報部は「定期的な部内の配置換え」だと説明)。
しかし、本誌記者が「今井氏はSさんをずっと無視したり、Sさんの姿を見かけると囲み取材に応じなかったりと、色々と嫌がらせをしたと聞いています。他に何かひどい仕打ちをされたことはありますか?」と聞くと、
「他には特段ありませんよ。たぶん今おっしゃったような話が全てかなと思います」
と本音を垣間見せた。一方で、他社の記者からの呼び出しは否定した。
では当事者の今井氏はどう答えるのだろうか。今井邸の前で、番記者が並ぶ夜ではなく早朝に今井氏本人を直撃した。「週刊ポストです。朝日新聞の番記者の件で……」と話しかけるも、今井氏は言葉を発するどころか一瞥することもなく、車に乗り込み去って行った。こんな扱いを8か月以上受けていたとすれば、S記者への同情も禁じ得ない。
その日は雨。傘を忘れた本誌記者のために傘を貸してくれた今井氏のドライバーだけが、優しかった。
※週刊ポスト2017年4月28日号