ライフ

【法律相談】演奏者が客席動画を公開 肖像権侵害になる?

ライブの観客側も肖像権を主張できるか

 インターネットの普及により、ミュージシャンが動画サイトに動画を投稿することは今や珍しくない。ただ、演奏者がステージ上から観客を撮影し、その動画をアップした場合、観客は削除を求めることができるのか? 弁護士の竹下正己氏が回答する。

【相談】
 ライブに行った際、あるピアノマンがスマホを客席にかざし、撮影したのです。後日、そのピアノマンのHPに私が映り込んだライブの模様が動画としてアップされており、削除を求めていますが、聞き入れてもらえません。これは肖像権の侵害だと思いますし、どうすれば削除してもらえるでしょうか。

【回答】
 人はみだりに自己の容貌等を撮影され、公表されない人格的権利(肖像権)を有しています。正当な理由なく容貌を撮影し、その写真を公表すると肖像権の侵害になり、侵害行為の差し止めや精神的苦痛に対する慰謝料の請求もされかねません。

 肖像の撮影や公表が許されるのは、本人の承諾がある場合のほか、本人の社会的地位、撮影された活動内容、撮影場所、撮影目的、撮影態様、撮影の必要性等を総合して、被撮影者の人格的利益の侵害が社会生活上、受忍の限度を超えないと判断される場合です。

 例えば、ニュースになるような大きなライブの場合、会場の様子を伝える情景の一要素として、観客の顔が一瞬大写しで放映されることは珍しくありません。主催者が撮影して、HP上に掲載されることもあります。

 こうしたライブでは、撮影されていることがわかりますから、映像が利用されることも予想されることです。特定の観客に焦点を当てた映像でなければ、承諾があるといえますし、明示的な承諾がなくても、受忍限度内と解されるケースが大半です。

関連キーワード

関連記事

トピックス

「子供のころの夢はスーパーマンだった」前田投手(時事通信フォト)
《ワンオペ育児と旦那の世話に限界を…》米国残留の前田健太投手、別居中の元女子アナ妻が明かした“日本での新生活”
NEWSポストセブン
会話をしながら歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《第1子出産》“叱らない子育て”が育んだ小室圭さんと“プリンセス教育”を受けた眞子さんが築いていく“これからの教育方針”「佳代さんはトイレトレーニングもせず」
NEWSポストセブン
若松次郎を演じる中島歩(左)は歴史上のある有名人の子孫にあたるという(C)NHK連続テレビ小説「あんぱん」NHK総合 毎週月~土曜 午前8時~8時15分ほかにて放送中
朝ドラ『あんぱん』ヒロインの“婚約者”を演じる中島歩は国木田独歩の玄孫 「中学と高校の国語教師の資格取得」に見える文豪の片鱗
週刊ポスト
田中容疑者の“薬物性接待”に参加したと証言する元キャバクラ嬢でOLの女性Aさん
《27歳OLが告白》「ラリってるジジイの相手」「女性を切らすと大変なんだ…」レーサム創業者“薬漬け性接待”の参加者が明かした「高額報酬」と「異臭漂うホテル内」
週刊ポスト
「大宮おじ」「先生」こと飯田光仁容疑者(32)の素顔とは──(本人SNS)
〈今日は〇〇にゃんとキスしようかな〉32歳無職が逮捕 “大宮界隈”で少女への性的暴行疑い「大宮おじ」こと飯田光仁容疑者の“危険すぎる素顔”
NEWSポストセブン
明るいご学友に囲まれているという悠仁さま(時事通信フォト)
悠仁さまのご学友が心配する授業中の“下ネタ披露” 「俺、ヒサと一緒に授業受けてる時、普通に言っちゃってさぁ」と盛り上がり
週刊ポスト
TUBEのボーカル・前田亘輝(時事通信フォト)
TUBE、6月1日ハワイでの40周年ライブがビザおりず開催危機…全額返金となると「信じられないほどの大損害」と関係者
NEWSポストセブン
ラウンドワンスタジアム千日前店で迷惑行為が発覚した(公式SNS、グラスの写真はイメージです/Xより)
「オェーッ!ペッペ!」30歳女性ライバーがグラスに放尿、嘔吐…ラウンドワンが「極めて悪質な迷惑行為」を報告も 女性ライバーは「汚いけど洗うからさ」逆ギレ狼藉
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
小室眞子さん第一子出産で浮上する、9月の悠仁さま「成年式」での里帰り 注目されるのは「高円宮家の三女・守谷絢子さんとの違い」
週刊ポスト
田中圭の“悪癖”に6年前から警告を発していた北川景子(時事通信フォト)
《永野芽郁との不倫報道で大打撃》北川景子が発していた田中圭への“警告メッセージ”、田中は「ガチのダメ出しじゃん」
週刊ポスト
TBS系連続ドラマ『キャスター』で共演していた2人(右・番組HPより)
《永野芽郁の二股疑惑報道》“嘘つかないで…”キム・ムジュンの意味深投稿に添付されていた一枚のワケあり写真「彼女の大好きなアニメキャラ」とファン指摘
NEWSポストセブン
2日間連続で同じブランドのイヤリングをお召しに(2025年5月20日・21日、撮影/JMPA)
《“完売”の人気ぶり》佳子さまが2日連続で着用された「5000円以下」美濃焼イヤリング  “眞子さんのセットアップ”と色を合わせる絶妙コーデも
NEWSポストセブン