〈1週間ほど吐き気が収まらず、食欲も湧かない。神経性食欲不振症の既往歴があるため、精神科を受診し薬を処方してもらった。食欲は回復してきたが、吐き気は収まらず嘔吐するようになった。内視鏡検査を受け、「胃がん」が発覚した〉
精神疾患の診断は、患者の自己申告や既往歴を頼りにすることが多いため、見誤りも起きやすいという。秋津医院院長の秋津壽男氏が言う。
「“神経性”というのはどこかの器官が異常をきたしているわけではありません。胃がんもよほど進行していない限り、自覚症状はない。精神科医が胃がんの初期症状を把握していない場合、がんを見落とす可能性が高いでしょう」
神経性食欲不振症は、薬を飲めば2週間ほどで症状は収まるという。もし収まらなければ、胃カメラ検査を受けた方がいい。
※週刊ポスト2017年4月28日号