一方、韓国社会が北朝鮮の心理戦につけ込まれてしまうのは、「左派のせいばかりではなく、保守派の責任も大きい」との指摘もある。人権NGOの専従活動家が言う。

「韓国では軍事政権以来、政治と財閥が癒着し、労組運動にも権力が介入してきた。過激な労使闘争が長らく続き、労働者階級の権力への不信は根強い。そこに、北朝鮮シンパが活動の場を広げる余地ができてしまっている。シンパの中には北朝鮮の工作機関と接触を持ち、平壌からの指令を受けて動いている者もいる」

●り・ちぇく/1972年生まれ。朝鮮大学校卒。日本の裏経済、ヤクザ社会に精通。現在は、北朝鮮専門サイト「デイリーNKジャパン」などを足場に、朝鮮半島関連の取材を精力的に行っている。

※SAPIO2017年6月号

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