国内

LGBTの介護サービス経営者に勇気を与えた言葉

 奈々さんを精神的に支えたのは、母親の存在が大きかったと思う。彼女が看護師を目指したのも、母親が看護師だったからだ。

 高校中退後、奈々さんがアルバイトをしていた店に、母親が飲みに来た。いい機会だと思い、LGBTであることをカミングアウトしたという。こうやって自分で壁を突破していくところがすごい。それでも、母親は「いまは病気みたいなもの。いずれ治るだろう」と思っていたらしい。

 親子でよくケンカをした。20歳を過ぎたころから、「あなたの人生だから」と言ってくれるようになった。それでも酔っぱらうと「いつ嫁をもらうの」と泣きつかれる。母親も揺れているのだ。

 奈々さんは、介護サービスの事業所を開設するとき、LGBTの職員を集めようと思ったが、色眼鏡で見られたくないと思い、ふつうの求人をした。

 5年ほどして経営が軌道に乗り、ようやく公然とLGBTの人を受け入れられるようになった。それが原因で辞めていく職員もいたが、残ってくれる職員もいて、理解し合うことができた。

 事業所では、少しでも働きやすいように、性転換手術のための休暇も認めている。そんな求人を見て、わざわざ引っ越してまで働きに来てくれる人もいた。いまは全体の4分の1がLGBT。人手不足が深刻な介護業界で、そこそこ人材を確保できているという。

 堂々と「自分らしさ」を表現できない人たちはけっこう多い。性的少数者だけではない。人種や宗教、性別、年齢、出身地などによって、自分らしく生きることを制限されてしまう現実は、今も相変わらずある。

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