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画質の良さのみならず、音質も格段に向上させた有機ELテレビ。2020年の東京五輪を契機にテレビの買い替えを検討している人にとっては選択肢のひとつになるだろう。だが、安蔵氏は「最大のネックはコストパフォーマンス」と指摘する。
「液晶に比べて画質がいいとはいえ、65型で実売価格は85万円前後、最上位モデルだと100万円もする有機ELテレビをポンと買える人はほんの一握りでしょう。また、有機ELパネルを量産できるメーカーが少ないため、液晶のように価格が下がってくることはしばらくないと思います。
画質とサウンド体験に新たな価値を見出したい人なら悪くない選択ですが、リーズナブルな液晶テレビでも十分に高画質になっており、一般の人にはそれほど響かないのではないでしょうか」
有機ELテレビが受像機の歴史を塗り替える「次の本命」になるためには、やはり普及価格帯まで値段を下げ、液晶のシェアを奪っていく必要がありそうだ。
写真提供■安蔵靖志