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有機ELテレビは「漆黒の闇」も表現 次の本命になれるのか

ソニーの有機ELテレビは迫力のサウンド体験もできる

 テレビの技術進化が目覚ましいが、今年は各電機メーカーから〈液晶の次の本命〉との呼び声高い「有機ELテレビ」が相次いで発表され、“有機EL元年”といわれている。

 そもそも、液晶テレビと有機ELテレビはどこが違うのか。IT・家電ジャーナリストの安蔵靖志氏が仕組みを解説する。

「液晶テレビはバックライトで画面を照らして映像を映し出しますが、有機ELテレビは電圧をかけると画素単位で自ら発光する有機物をパネルに使っているので、激しい動きもなめらかに表現できるのが特徴です。

 発光しない部分は“漆黒の黒”になるため、光漏れによって黒が白っぽく見える(黒浮き)液晶に比べ、暗い映像の階調性(濃淡)がより高くなりました」

 よくテレビや映画などでは闇のシーンが出てくるが、真っ暗な中でも細部の景色や人の表情などが認識しやすくなる。有機ELディスプレイが医療現場で使うレントゲンに採用されているように、暗部のコントラストをはっきりつけられるのが最大のメリットだ。

 また、バックライトが不要な構造ゆえに、省電力化や薄型化が可能になったという。だが、その一方でこんなデメリットもある。

「液晶テレビのようにバックライトを強めるといったことができないので、ピーク輝度(最も明るい場所の輝度)は液晶に及ばないといわれています。とはいえ、映画など比較的落ち着いた暗めのシーンが多い映像の場合、それほど不利になることはありません」(安蔵氏)

 有機ELテレビの基本性能が分かったところで、安蔵氏に各社新商品の特徴を挙げてもらった。

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