「当社では労働環境改革基本計画の策定に向けて、各種資料を作成し、社員との対話や外部有識者との意見交換を継続的に行っております。当該資料は社員との対話のための資料の一つです。引き続き、社内外からのさまざまな意見や提案をいただき、各種施策案を検証した上で最終的に基本計画として取りまとめ、社内外に発表させていただく予定でおります」
しかし、激務で知られる電通で本当にこんな働き方が可能なのか。『電通と博報堂は何をしているのか』の著者でネットニュース編集者、中川淳一郎氏は文書をこう読み解く。
「電通が反省しているのは確かでしょうが、これは社内外への“ポーズ”という側面もあるはず。世界一の広告会社がこんなに“仏”で仕事が永続的に回るとも思えない。実際には働き方をすぐに変えるのは難しくても、鬼十則をやめて“ホワイト企業”になりました、とマスコミや取引先、内定者の親御さんなどに説明しやすくなりますから」
最大の問題は、肝心の文書が「存在すら社員のほとんどに知られていない」(電通社員)こと。まずは社内への“宣伝広告”が必要だ。
※週刊ポスト2017年6月2日号