沖縄が早くも梅雨入りし、ジメジメした雨の季節が到来。この時期、カビとともに猛威をふるうのが“ダニ”だ。ライオンの研究開発本部で害虫について研究する“虫博士”こと亀崎宏樹さんは、ダニについて、こう強調する。
「5月の終わりから梅雨前までの時期が、室内のダニを効果的に減らすラストチャンスなんです。というのも、冬の間は増殖が活発でなかったダニたちが、気温の上昇とともに活動が活発になり、梅雨から夏に向けてパワー全開になります。この時期には、増殖率が一気に上がるので、この活動期に入る前に、できるだけダニを減らしておきましょう」
ダニは人の服やバッグなどについて室内にやってくる。自分の家のどのあたりに多く生息しているのかを、下に挙げた「ダニに好かれる度」リストで、まずはチェックしてみよう。
□畳に絨毯を敷いている。
□家具の隙間、ベッドの下にほこりがたまっている。
□部屋の掃除機がけは週に1回かそれ以下である。
□布団に掃除機をかけたことがない。
□窓を閉め切っていることが多い。
□ペットを飼っている。
□押し入れ内の気温が高い。
□開封した小麦粉や天ぷら粉などの粉状食材を常温保存にしている。
当てはまった項目が2個以下なら、ダニが住みにくい環境といえるが…、注意すべきは3個以上。ダニが住みやすい環境なので、アレルギー症状が出てくるかも。深刻なのは6個以上。多くのダニが繁殖している可能性がある。
とはいえダニ皆無の家はないので、チェック数にかかわらず安心できない。ダニの怖さについて、銀座ケイスキンクリニック院長の慶田朋子さんはこう語る。
「室内に多いダニは、ヒョウヒダニやコナダニで、いずれも刺したり吸血することはありません。ただし、死がいやフンがアレルギー性の喘息や鼻炎を引き起こし、直接触れると目や鼻の周り、全身の肌にアレルギー反応が出ます。症状には個人差があるので、原因不明の発疹が出たら、皮膚科に相談を」
掃除機がけは、人に被害を与える死がいやフンだけでなく、ダニのエサとなる食べ物カスなどを取るので、ダニ繁殖の予防になる。また、湿度も繁殖を加速させると前出の亀崎さんは加える。
「2週に1度は、キッチンの戸棚や押し入れ、下駄箱など、普段開けない扉を開けて風を通しましょう。天気のいい日は、窓を開けてすべての扉や引き出しを開けておくのがおすすめです」(亀崎さん)
一方、ダニが最も多く生息する、寝汗が染みついた布団のケアは…。
「天日干しをすれば死ぬと思われていますが、これは間違い。死滅するのは50℃の熱を20分浴びた時。天日干しでは布団全体が50℃を超えるのは難しく、暑いと感じれば涼しい裏側へ逃げるだけ。内部が50℃以上になるよう乾燥機にかけ、死がいやフンを掃除機で吸引すれば完璧」(亀崎さん)
ただし、天日干しは、除湿になるので、予防法としてはおすすめだという。両面を干した後、すぐに掃除機がけを。
※女性セブン2017年6月8日号