「だからこそ、彼女の結婚は、老いを前にした心境の変化が大きかったのではないかと思うのです。更年期障害による精神不安や、思うように動かない体を前に、傍にいてくれるパートナーを求めるのは自然なこと。病を支え合い、老後を共に生きたいという強い思いが、事実婚ではなく入籍という選択に繋がったのではないでしょうか」
阿川さんの年齢ばかりが注目されるが、S氏はさらに年上の69才。現実問題として、近い将来、介護の問題が確実に降りかかる。
「もし自分が寝たきりになったら…という恐怖は、えてして男性の方が強いものです。実際、婚活に励む高齢独身男性の多くは、結婚相手に求める条件として、『看護師の経験』や『栄養士の資格』など、明らかに介護を意識したものを挙げがちです。心のよりどころが欲しい女性と、介護を望む男性。互いの求めるものが一致したからこそ結婚した、という高齢カップルはやはり多いのです」(三松さん)
阿川さんとS氏の胸の内はさておき、女性セブンの取材でも、ふたりの結婚を、「病気と介護を前にした現実的選択」と見る女性が多数いた。
「年齢的にも万が一、というケースは否定できないし、体をケアしてくれる人は欲しかったでしょう。来る老老介護に備え、健康管理上のメリットがあると判断したから入籍したんだと思う」(40才女性)
「結婚を強く望んだのは阿川さんではなく男性の方なんじゃないかな。だって先に倒れる可能性が高いのは彼の方でしょう。看病してくれる人が欲しかったんだと思う」(30才女性)
※女性セブン2017年6月15日号