仮面高血圧を発見するには、普段から血圧を測る習慣が欠かせない。朝起きたばかりだと一過性に血圧が高くなるので、朝食前に2回計測し、2回目の数値を記録する。高血圧の薬を服用している場合は、薬を飲む前に測る。また、入浴や運動後は血管が開くために血圧の数値が低くなるので避ける。家庭や職場で血圧を測った際、数値が常に135/85mmHgを超えているようであれば注意が必要だ。
「治療の第一は生活習慣の是正で、ダイエットや禁煙だけでも血圧はかなり下がります。食事は減塩がポイントです。さらに水泳、ジョギング、ウォーキングなどの有酸素運動を続けることで、血圧の低下が見られます」(桑島顧問)
薬を使う場合、ぎゅうぎゅう型は血管を開く作用をするアンジオテンシンII受容体拮抗剤を、パンパン型には利尿剤を使うと血圧が下がりやすい。カルシウム拮抗剤は、両方のタイプに有効だ。
高血圧症の約97%は、本態性高血圧だが、残りは原発性アルドステロン症といって、副腎に腫瘍などができてアルドステロンというホルモンが過剰に産生され起こる高血圧もある。様々な治療をしても効果がない場合は、専門医を受診することが重要だ。
●取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2017年6月16日号