首相動静によると、この日、根本氏は午後3時36分から官邸で安倍首相と2人で会談しており、その際に渡された可能性が高い。
〈加計問題の本質は「官邸の意向で特区の決定プロセスが歪められ、総理の友人だから認められた」とみるか、「獣医師不足に悩む愛媛県と今治市が、獣医師の空白地帯である四国に獣医学部を誘致したいと提案して、岩盤規制に風穴をあけて認められた」とみるかで正反対の立場、180度異なる〉
文書は冒頭にそうした前提認識が書かれ、
〈論点1 加計学園ありきか? →提案主体は愛媛県と今治市〉
〈論点2 官邸の影響があったのか? 特区の決定プロセスが歪められたか? →国家戦略特区の制度上あり得ない〉
──などと加計疑惑への反論(言い逃れ)ポイントをA4判3枚にまとめたもので、内容は“本番”での安倍首相や山本幸三・地方創生相の答弁と一致している。安倍首相が自分の言葉で経緯を語るのではなく、“殿の一大事”とばかりに忠臣顔で官邸に乗り込んだ盟友のカンニングペーパーに頼って切り抜けようとしたことが、国民に不誠実さを見透かされる結果を招いたのではないか。根本事務所に聞いた。
「根本が総理にこの資料を渡したかどうかは分かりません。総理との面談時に何を話したかは、忖度してください」
本誌が根本氏の言動を忖度しなければならない理由はないが、根本メモは安倍擁護の「印象操作」にもフル活用されていた。